『キングオブコント』ファイナリストの肩書を持つ実力派、うしろシティとラブレターズ。彼らが織りなす繊細で笑えるコントは、多くのファンを魅了してやまない。しかし、それらコントの背景には、4人それぞれ“イケてない”過去があった。――ちゃんと理由がある。本邦初公開の情報満載。ここぞとばかりに青春時代を取り返す笑顔の4人を、何も考えずに笑ってやってください!

 

 
●とっても贅沢なDVDですね。
うしろシティ金子学(以下:金子):そう思います。こんな僕らが学校を貸し切ってるって時点で、本当に贅沢ですよね。これがDVDになるって。
ラブレターズ塚本直毅(以下:塚本):“やりたいことありますか?”って聞かれたので、“じゃあ、学校貸し切って、あの頃やりたかったことを”って言ってたら、ポンポンポンと話が進んで。いやー贅沢。企画会議を何回かして、ロケもしたんですけど、途中までウソかと思ってましたもん。
金子:無理だろうと思ってたら、“貸し切れましたー”って。最後、すげー額の領収証を渡されるんじゃないかと(笑)。
塚本:これが世の中に流れるんですもんねえ。
金子:『うしろシティ・ラブレターズ』って付いてますけど、ただのだっせえクラスの1日を観るっていう、究極に暇な時に観るDVDです。
 
●2組の共通点は?
ラブレターズ溜口佑太朗(以下:溜口):似たものを感じてはいましたけど、でも僕らのほうがイケテないっていうイメージでした。似たところはあるんだろうなあ、くらいで。
塚本:今回一緒にやってみて初めて、ガッツリこっち側の人間なんだってわかりましたね。
溜口:闇がね(笑)。
塚本:それまでのすべてがプロだなと思いましたよ。よく漏れねえなって。
うしろシティ阿諏訪泰義(以下:阿諏訪):ラブレターズは漏れ出てるじゃないですか、“リア充じゃなかったんだろうな”っていう感じが。僕もそうだったので、元々すごく親しみを持ってたんですよ。ただ、僕はあんまりそこが漏れ出てなかったから。
溜口:だから最初、うしろシティさんは住む世界が違う人だと思ってました。
金子:ちょっと待って! お前ら阿諏訪のことしか見てないし。
塚本:気づきました(笑)?
金子:僕は、イケてるイケてないっていうとこでラブレターズと接してなかったし。単純にお互い、“変な人より、普通の人の変なところが好き”っていう共通点があって。ネタとか観てたらわかるじゃないですか。変な人はそりゃ変だけど、普通の人の変な部分を探すほうが面白いっていう。なんかそいつらバレてないし、世の中に。普通の人として紛れてるじゃないですか。宇宙人のくせに。
塚本:好きになる対象が一緒みたいなことですよね。
金子:そうそうそう。たぶん僕らみんな、“いやいや、お前”っていうスタンスなんですよ。だからこのDVDを収録する前は、そこがすごく似てるなと思ってたんですが、収録してみて“ああ、そういう理由でね”っていうことがわかった。
 
●学校ロケの感想は?
溜口:思い通りにいったところもあるし、「校庭に迷い込んだ犬をつかまえる」みたいに、全然思ってたのと違うところもあるし(笑)。
金子:終わってみたら、“ああ、こういうことだったんだ”っていう統一感はありますね。
阿諏訪:これたぶん、あんまり良くないことなんでしょうけど、笑いを取りにいこうっていう感覚よりも、この夢のような時間が叶ってるみたいな感覚でした。
溜口:あの頃を全力で取り返そうっていう方向。
金子:やりたかったこと“まっすぐやる”じゃないんだよね。やりたかったけど、やれなかったことを“やらせていただく”みたいな。
溜口:話し合いの時点で終わったりする部分もありましたね。なんか、一番そこがピークだったり(笑)。
金子:結論とか終わりも決まってなかったよね、毎回カットかかるまでやってた。学生時代って、チャイム鳴ったら授業戻るじゃないですか。その感じです。そういう意味じゃ、俺らのやってることってプロじゃなかったよね。
溜口:“あー、これやれなかった”とか、そういうのまったくなく。
金子:そうそうそう。“わー、あそこもっとこういうボケあったな”とか思わなかった。
塚本:とにかく学ラン着てはしゃげれば満足ですよ。
阿諏訪:いやー、本当。
 
●一番テンションが上がったところは?
金子:学校、学校、学校です。学校貸し切り。都会の学校が初めてだったので。窓から見える景色。
溜口:金子さんはね(笑)。
金子:マンションとか電線でしょ。あと、高速道路があって。ビルとか店。他の人には当たり前なのかもしれないですけど、変な違和感です。“こんなとこに学校ねーだろ!”ってツッコミましたもん。ボケてるなあって。リッチ。リッチ・ボケてる。学校帰りにカラオケ行って、マック行くとか。いや、ないないないない!
阿諏訪、ラブレターズ:(爆笑)
金子:カラオケもマックもないから。映画だったら飲み込んでたんです。映画ってウソだから。そしたら、あんのかい!
阿諏訪:僕は、実際に学校に行ってみて初めて思い出したことがあったんですけど、撮影の休憩中に画鋲を見つけて。画鋲を持った時に、“あ、画鋲を投げつけて壁に刺さる遊びをやってた”って思い出して。
金子:ダーツみたいな。
阿諏訪:そう。それを思い出した時に、テンション上がりましたね。実際にやりましたもん、ひとりで。ちゃんと刺さったんですよ。
 
●ひとりで?
塚本:誰もその場面見てないです。
溜口:今、初めて聞きました。
阿諏訪:ああ、たぶん僕、“やろうよ”っていうのがないんですね。
金子:“やろうよ”って感覚、阿諏訪ないよな。
阿諏訪:ないないないない。
塚本:でも、確かに僕も“これやろうよ”って、学生時代に言ったことないです。
阿諏訪:ないでしょ?
溜口:確かに、それはないわ。
金子:いや……。
塚本:あるんですか?
金子:……その、でも、溜口とかは、大人になって、ずっと戦ってて、その辺剥き出しにしてるから、今は“やろうよ”って周囲に言えるし、言われてるけど、阿諏訪って今だに“やろうよ”って言わないとこがあって。それを知らない人が、阿諏訪に対して“やろうよ”って言いかけるじゃないですか。その時にみんな気づいて、“あれ、この人、やろうよの人じゃない”って立ち止まる。“やろうよ”をやらなさ過ぎると、その空気が出るんだと思います。
阿諏訪:本当、培ってきたものなんですよね。なんか“一緒に”っていうのが申しわけないって思うんですよ。
溜口:そうですよね。自分に時間を付き合わせるのが。
金子:“アメリカに小学校から高校まで行ってました”みたいな人が英語を喋れるのが当たり前なのと一緒で、阿諏訪にとって特別なことじゃないんですよね、それは。特別なことじゃないんです。
溜口:僕がテンション上がったのは、自分より下の人間が現れた時。
塚本:阿諏訪さんね(笑)。
溜口:卒業アルバムとか見て、俺よりイケてない奴が出てきた瞬間、あれは嬉しかったですねー。自分もヤバいですけど、“ヤバ、こいつ”とか思って、ふふ。学校では自分が下だったけど、総合で言ったら、けっこう上のほうだったなあ。今まで阿諏訪さんをそう見たことがなかったのに。金子さんは土地があれだったんで、あれですけど。
金子:土地があれってやめろ!
溜口:阿諏訪さんはもう、すごく上のほうのイメージがあったので、その人がグンッと下がった瞬間? ああ、ああ、あれあれーって。
金子:階段でもエスカレーターでもなく、避難具みたいなので降りてきた感じ。
溜口:そうそうそうそう!
 
●阿諏訪さんには、まさかの整形疑惑も出ましたね。
金子:それ、NGです。
阿諏訪:NGじゃないわ! 絶対、使ってくださいよ。
塚本:「上履きペインティング」の時のラブレターズは、えらいテンション上がってますからね。
溜口:阿諏訪さん見て“こいつー! きたきたー! つかまえたー!”って(笑)。
阿諏訪:俺が“友達いない”とか“学生時代、全然イケてなかった”って言ってたじゃん。それを目の当たりにした感じでしょ?
塚本:そう!
溜口:それまではちょっと“仕事で言ってるんでしょ”とか“本物じゃないでしょ”と思ってたんですが。うしろシティが付く前ですからね。普通の阿諏訪の時。
塚本:舌出してる写真も強烈だったなー。あれ、なんだったんだろう。
全員:(爆笑)
溜口:これが世に出るんだと思うと、すげーテンション上がりましたもん。笑えるっていいなと思いました。
塚本:僕は単純に廊下ではしゃいでる時間が、楽しすぎて。まるでできなかったことだったので。
溜口:廊下の真ん中歩けないでしょ。
塚本:まったく歩けない。
阿諏訪:歩けないよ、真ん中なんて。
金子:廊下を図書室みたいにとらえてない? 静かにしなきゃいけないって。
溜口:廊下を歩く時は、常に壁に当たってないとね。
阿諏訪:消防のさ、ランプの出っ張りがね、クンって当たるんですよ。
ラブレターズ:ああ!
金子:……。
 
●思ってたことと違ったロケは?
塚本:DVDを観た時に、「黒板消しでいたずら」で、3人がすごく楽しい計画立ててたってわかって。“うわー、俺も入りたかった!”って思いました。
阿諏訪:また入れなかった感じ(笑)。
溜口:そっか!
阿諏訪:“笑い取った!”じゃなかったんだ。
塚本:あの瞬間は芸人じゃなかったんで。
金子:僕は「憧れシチュエーション」の撮影の時、“くだらないことをクールに断る”っていうのをやりたかったんですけど、やったことないから慣れてなくて。あと、さっきの塚本と一緒で、結局くだならないほうをやりたくなっちゃって。僕以外の3人が、ワチャワチャするシーンで、“塚本ロボ”っていう意味わかんないアイディアを自分で出したんですよ。出したばっかりにやりたくて仕方ない。だから全然クールにできなかった。
阿諏訪:そう、あそこはガチのやりたさが出ちゃってるから、切なくなったよ。
塚本:確かにあれは切なかったです
 
●実際の学生生活がこれだけ楽しかったら、芸人になってなかったかもしれないですか?
溜口:そうですよ。
阿諏訪:大いにあると思いますよ。
 
●じゃあ、学生生活が楽しくて芸人にならない人生と、今の人生を選べるとしたら?
阿諏訪:えー!!
塚本:えー!!
溜口:あの頃選べるとしたら……
阿諏訪:あの頃選べるとしたら……それは絶対イケてるほうが。
溜口:イケてないのは嫌ですよ。
阿諏訪:将来、芸人になれるってわかってても、です。
金子:じゃあ3人は目をつぶって。今選べるとしたら、“あの頃イケてなくて、芸人の今の人生がいい人”。はい。手を降ろしてください。じゃあ、“やり直せるなら、あの頃楽しくて、芸人にはなっていない人生が良かった人”。目を開けてください。
(3人とも挙手)
全員:(爆笑)
阿諏訪:3人とも目をつぶる前から意見一緒だったよ。
溜口:学生時代は人生で一番大事な時間じゃないですか。
塚本:無茶苦茶大事だよ。
 
●『キングオブコント』決勝に2回、3回も行けるってわかってても、貴重な10代ってことですよね。
阿諏訪:いやー、それはちょっとねー、ひとごとですよ!
塚本:全然違うんですよ! なんすか、イケてたんすか!?
阿諏訪:イケてたんでしょ!
塚本:もう本当に大変なんですから!
溜口:今、この人生を歩むしかなかったってことなんですよ。もしその頃イケてたら、他の選択肢もいろいろあったし。パイロットとかお医者さんとかにもなれたかもしれない。
塚本:そうですよ。今やってることなんて、ラブレターズで言ったら、ネタはもう仕返しでしかないですから、マジで!
溜口:……ラブレターズの意見みたいに言いましたけど、俺はネタ書いてないから、それ以外もやりたいけどね。俺は俺でまあまあ、仕返しもしてきたし。
金子:ふたり、手は取り合えよ!
 
●金子さんは『キングオブコント』で優勝できるとしたら、イケてない学生時代を受け入れられますか? 例えば1年間イケてない学生生活があったとして、芸歴2年目で『キングオブコント』優勝。
金子:あー! 全然いい!
阿諏訪:うわー! もう全然わかってないね。
溜口:1年の長さを全然知らない。
塚本:ショックだよ、そんなまっすぐ言っちゃダメだよ、絶対。
阿諏訪:朝ゲロ吐いたことないだろ。
金子:優勝できんだぜ?
溜口:この人やーべー!
塚本:やばいわ……。
金子:なんでお前らずっとイケてないのに優勝できねーんだよ、逆に!
 
●このDVDをどう楽しんで欲しいですか?
阿諏訪:単純に笑えるので、人生がどうのっていう大それたことではなくて、学校での嫌なことを忘れられるって意味で、普通に観て欲しいです。
金子:卒業して、東京に出てきてからしんどくなるパターンもあるから。人生どこでしんどいのが来るかわかんない。
溜口:イケてない原因は自分にもあるんだぞって、自分を見つめ直すメッセージもあるんじゃないかなと。自分が変われば環境が変わるぞっていう思いもある。
金子:イケてない奴らが集まったDVDですから、キャッチ・コピーは『ちゃんと理由がある』。イケてないのには、ちゃんと理由がある。
阿諏訪:だいたいみんな30歳なんですけども、30歳がこんなことをしているDVDなので、どんな環境にいる人も単純にカラッと笑えるDVDになってると思います。
溜口:1回観ただけじゃわからない、何回も観て、何回も何回も発見があるDVDですよね。普通のネタDVDとまったく違う内容なので、ずっと10年20年、たぶん、息子とか孫に観せても共感できる、素晴らしいDVDです。
塚本:イケてなかった出身の我々みたいなもんが、はしゃいでる様って、たぶん、いろんな層の人から見て、共感して笑ったりとか、バカにして笑ったりとか、どなたからでも観て面白いものにはなってると思うんで、ぜひぜひ観てもらえたらと思います。
金子:これ、あれだろうね。クラスのみんなで見たら、笑うタイミングとかちょっと違うんだろうね。イケてる奴が笑うタイミングと、イケてない奴が笑うタイミングと。
塚本:そうそう(笑)。
 
 

 
 
『うしろシティ・ラブレターズの居残り学級会 ~あの日みんなが見た青春を僕達はまだ知らない。~』詳細ページは こちら

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