ポップに見えて実は意固地だった? 見えない“角”を抱えてきたうしろシティが、ちょっとずつ丸くなって、自らポップを意識し作った本ライブ。これまで以上のおもしろさにバランスとまろやかさが加わった絶品の1本に仕上がっています。ぜひじっくりご堪能下さい。あのコンビが好きな人も!

 
うしろシティ インタビュー
 
うしろシティ インタビュー●今回のライブの手応えは?
金子:去年のライブはやりたいことをやろうと思って作ったので、今年は去年より作家さんや周囲の意見も聞いて、ポップめにポップめに。
阿諏訪:これまでよりも周りの意見が多めに入ってます。
金子:自分のやりたいことをやるのも、人の意見を聞いてやるのも、どっちも作業的にはおもしろいっちゃおもしろいんですよ。でも、自分たちだけでガッツリやると、好きなライブはできるんですけど、それがお客さんにとって好きなライブだったかどうかはわからないじゃないですか。やりたいことやってスベってもそこは都合よく、「伝わらない」「滑ってはない」「早かった」って解釈で(笑)。でも心が折れたので今年はポップに。初めて見るお客さんがおもしろいって思うくらいのライブにしてみようみたいな感じでしたね。
阿諏訪:そうですね。丸くなったんじゃないかなと。年を重ねましたからね。削られて削られて。
金子:僕らが尖ったコントをやってた時期があるのかわかんないですけどね。
阿諏訪:精神的にはあったよね。「俺たちがやるんだ!」みたいな、あははは。
金子:「発明したい!」みたいなね。
阿諏訪:そうそうそう。尖ってるっていうか意固地。
金子:お笑いの中に自分たちの居場所を作ろうみたいな、お笑いに抱かれるがまま。1年目からこういうことをやろうっていうのはなかなか難しかった。
阿諏訪:ちょっとずつ変わってきてるよね。
 
●印象に残っているコントは?
阿諏訪:僕は単独ライブで女装するのがほぼ初めてじゃないかなと。
金子:僕が去年初くらいだもんね。1本目でセーラー服着て。結構女装のネタってないんだよ。
阿諏訪:楽しいんですよね。口紅塗って最後「んっぱっ」ってやるの(笑)。
金子:阿諏訪が久しぶりに口紅をひいたっていう。
阿諏訪:なんか誤解がある言い方けど、まあそうだね。
金子:僕は、人が謎の能力に覚醒したみたいなネタが好きですね。毎年やってるんですけど、今回だと「焼き鳥」とか「陶芸家」とか「画家」とか。すごいちっちゃい“マーベル感”です。人を助けたり幸せにはしてないんですけど、謎の能力に目覚めるみたいな。
阿諏訪:金子が覚醒してるときって誰の話も聞いてないもんね。「焼き鳥屋」で奥の部屋に金子が勝手に行くときすんごい楽しそうにしてたよ。
金子:覚醒してるんで。
 
うしろシティ インタビュー●「画家」と「陶芸家」はどういったところから作ったんですか?
金子:「陶芸家」は手を洗った泥がもったいないってところからです。
阿諏訪:あはははは。
金子:絵を描いてる友だちがいるんですけど、そいつの家に行ったとき、絵の具をつけたばっかりの筆を洗わなきゃいけないのとか見て、もったいないなって思って。そのまま「画家」でネタにするとそいつにバレるからこれは「陶芸家」にして、別のネタで「画家」を作ったと。
阿諏訪:「画家」はほんとにね、「あれ誰が描いてるのかな」ってところから。
金子:このネタができたの新宿角座のおかげなんですよ。角座の出囃子ってフリー音源を使うんですけど、たまに舞台のセッティングで出囃子が長い時間流れると、イントロ部分が終わって歌が始まって、「あ、これバンドだったんだ」って思うときがあって。フリー音源のバンドってなんなんだ、と。例えば自分がバンドやってて、彼女とお笑いライブを観に来たときに、自分の曲がフリー音源として使われてたらどんな気持ちだろうなって。
阿諏訪:フリー音源で認められるってうれしいことなのかどうか。
金子:「画家」のネタもそうだけど、自分の理想じゃないことが起こってるわけだよね。こう見られたいっていう自分じゃないから褒められても喜べないというか。
阿諏訪:本人にとっては失礼なことを言われてるわけだから、「うーん」ってなるよね。これは難しい。
 
●「ひさしぶり」も実体験ですか?
金子:ありました。昔、バイト先にバンドやってる人がいて、ライブを観に行って、終演後に楽屋に行ったら、バンドの人たちに「バイト先の」って紹介されて。「あ、友だちじゃなかったんだ」って。
阿諏訪:「バイト先の」なんだ(笑)。
金子:「バイト先の」だった。その人がモヒカンで結構ハードな感じで。
阿諏訪:友だちって言うのが照れくさかっただけかもしれないけどね。もしくは単純に「だせー」と思われてるか。
金子:なんかシャバいヤツと友だちだと思われると、周りのメンバーから音楽性の違い突きつけられるとか、そういうことだと思う。
 
うしろシティ インタビュー●「おじいちゃん大好き」はどのようにできたんですか?
金子:これはずっと前に作ってボツにしてて。
阿諏訪:たまにこういうのやるよね。声が聞こえるって。
金子:マンガの読みすぎなんでしょうね。
阿諏訪:あはははは! 青空に顔が浮かんでる感じのね。
金子:ベタなマンガですよね。
阿諏訪:「僕は変わるんだ」もマンガだよなあ。
金子:これはほんとは、10秒くらいでいいんじゃないかって最初言ってて。単独ってネタ1本の尺がすごくしっかりしてるんだけど、1つくらい10秒で終わっていいんじゃないかと思って作ったんです。でもそれこそ作家さんに、「もうちょっと伸ばせるんじゃないか」って言われて、その意見を取り入れましたね。
阿諏訪:「予約の青木です」もすごーく昔に作ったんだよね。これも多分ライブにかけてなくて。
金子:やりとりが淡々としてるじゃないですか。だからあんまり合ってないんですよ、性に。
阿諏訪:ラバーガール感ある。
金子:いい例え! そうね、だからこれ「ラバーガール」ってタイトルに変えようよ。
阿諏訪:あはははは! 「ラバーガール」!!
金子:ほかのネタ候補もあったんですけど、全体のバランスを見たときに、このくらいの温度感のネタがあってもいいんじゃないかなと思って今回やったんですよ。
阿諏訪:全部変なキャラだとね。
金子:自我を失うじゃないですか、ライブ終えたときに僕が。
阿諏訪:左右がわかんなくなって(笑)。
金子:そうそうそう。だからバランサーとして入れました。
阿諏訪:ラバーガール感に気づくの遅かったな。わかってたら「ちょっとわかんないですけど」とか言えたのになあ!
 
●ネタ以外の見どころは?
金子:特典映像では「はじめての空手」と「はじめての新体操」をほんとにゼロからやってみたんですが、やっぱりできないんだなって。
阿諏訪:不安だったんですよ、できたらどうしようって。ものすごい空手の才能あったらって。
金子:全然なかったな(笑)。
阿諏訪:副音声は何しゃべったんだっけ?
金子:ネタにはまったく触れてないです。
阿諏訪:ただ、最初に大事件が1つ起きてます。あとは覚えてないですけど、確実にずっとしゃべってます。
金子:人生観が変わるとか重大な話はないので安心して聞いてもらえますね。
 
●最後にメッセージをお願いします。
阿諏訪:まずはレンタルでもいいですし、おもしろいと思うのでよければぜひ観てください。
金子:ラバーガール好きな人もぜひ。「あ、これは確かにラバーガールのほうがうまくやれるな」って思っていただければ。
阿諏訪:じゃあまずはラバーガールのDVDを買ってください。
金子:大水くん、飛永くん、『どこが海のみえるまち』買ってください。
 
うしろシティ インタビュー
 
 
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