10周年を迎え、円熟の時期を迎えている東京03。今年はDVD BOXのリリースに始まり、悪ふざけ公演『タチの悪い流れ』、そして今回のファン感謝イベント『東京03 10周年ファン感謝イベント』など、まさに“お祝いイヤー”となりました。その1年も、もう終わろうとしています。彼らにどんな10周年だったか、イベント1回目の公演直後に聞いてみました。

 
——ファン感謝イベント、お疲れさまでした。こういうイベントをやるのは初めてですか?
飯塚:初めてです。「来ている人は全員、ファンなんだなぁ」と思いながら舞台に上がったんですけど、その感じが全然なかったんですよね。もうちょっと黄色い声とか……。
 
——「キャーッ!」という声、なかったですねぇ。
飯塚:なかったー!(笑)
豊本:うちのファンの皆さんは、地に足が着いてるから。
角田:応募券に書いておかなきゃいけなかったですね。「東京03が登場した時は、黄色い歓声を上げてください」と(笑)。
 
——ファン感謝イベントをやってみて、印象的だった出来事は?
飯塚:コメンタリーのコーナーで、意図していないところでクスクス笑われるのはしんどいなぁ、と(笑)。完全にバカにされてるもの! 
角田:まず、お客さんと一緒にネタを見る状況がなかなかないから、恥ずかしかったよね。
——ミュージシャンの角田さんが出てくる場面は、出オチの予定だったんですか?
飯塚:あれは、僕らのことをよく知っているファンが集まるイベントでなら、100%ウケるだろうと思っていたんですよ。でも、皆さん大人でしたねー。
角田:あのね、ちゃんと面白くないと笑わない(笑)。
飯塚:あんなわかりやすいヅラかぶっていたのに、シーンとしてたもの。
角田:その前に、飯塚さんが笑いを取りすぎなんだよ!
飯塚:そこは全然、取るつもりなかったのになー。

——そして豊本さんが書いたネタを披露したのも、ファンイベントならでは。これは飯塚さんの提案だったとか。
飯塚:「書いてきてほしい」と頼んでから、音沙汰が全くなかったので、もう諦めたんだと思ってました。
 
——じゃあ、本当に初見で演じたんですね!
豊本:そうなんですよ。すごいですよね。
飯塚:そこはほら、もう慣れっこだから。『ウレロ☆』(テレビ東京系)とかも、ほとんど初見でやっているしね。
角田:いつも、だいたいこんな感じですよ。
 
——豊本さんは、ネタを書くのは初めてですか?
豊本:ほとんど初です。養成所時代に少しはありますけど、そんなにちゃんとは書いていないので。いやー、難しかったです。普段のふたりの苦労がよくわかりました。
 
——完成したのは3本ですが、設定だけ書いた物を入れたら、何本になったんですか?
豊本:「2行しか書いていない」みたいなものを含めたら、8種類くらいは書きましたね。
 
——おふたりは、演じてみていかがでしたか?
角田:楽しかったですよ。新鮮でしたもん。まずタイトルと役名を見て、ワクワクしました。
飯塚:イメージキャラクターを演じた『勇現会社ブレイブカンパニー』を思い出したよ。

——今後、豊本さんのネタを単独ライブでやる予定は?
角田:それは、飯塚さんに任せます。
飯塚:うーん……、それは彼のやる気次第ですね。ガンガンボツにされても書いてくるようなら、いいのがあればやりますよ、という感じです。まぁ、弟子っこから始めてもらおうかと。
豊本:が、頑張ります。
飯塚:ウソつけ!(笑)
 
——ということでこの10周年、いろいろやりましたね。イベントごとの他にも、角田さんの再婚、飯塚さんの女装解禁(『タチの悪い流れ』にて)などなど。
豊本:飯塚さんの女装が、ずいぶん大きな項目になってるんだね。
飯塚:角ちゃんの再婚と並ぶほどに(笑)。
 
——飯塚さんの女装こそ出オチというか、客席から「うわぁー……」という悲鳴が起きてましたね。
飯塚:悪ふざけ公演だからできたけど、普段の単独では無理ですね。あんなリアクションを取られたら、心折れちゃう(笑)。あれで、リアリティのある芝居はできないよ!
角田:やっぱり、封印したことは正しかったんだね。

——ということで、10周年イヤーはいかがでしたか?

飯塚:去年末から、「来年は10周年だからいろいろやっていこう」と言っていたんですよ。『ウレロ☆』の舞台や『ももクロの子供祭り』、バナナマンとの『hand made works』や角ちゃんの映画出演も決まっていたし。それが全部終わっちゃったことに、びっくりだよね。
角田:「あ、終わるんだねぇ」って。
飯塚:だから今、超ヒマだもん(笑)。
豊本:あんなにめまぐるしかったのにね。
飯塚:やると決めていたことがすべて形になって、おかげさまで評判も良くて。最高の10周年だったと思います。
豊本:人生の中で、体感時間が一番短かった1年だと思うな。
角田:こんなに舞台の上に立っていた年は、他にないですね。
飯塚:角ちゃんは03以外に、客演もしていたから。
角田:あれで15回、稼いでいるからね。
飯塚:ずるいわー(笑)。
角田:こんな1年を、動けるうちにやれてよかったな、と。

——いやいや、20周年もこれくらい派手な1年を期待してますよ!
飯塚:20周年って、俺たち50歳だよ!
——ここからの10年、どんな年にしていきたいですか?
飯塚:また一からですね。体力作りから始めないと。生活を改めたい。
角田:全員、タバコも辞めたしね。
豊本:あとは結婚したりとか、社会人としてちゃんとしていたいね。
——飯塚さんと豊本さんは、結婚してるんですかねぇ……。
飯塚:いやー、怖い!
角田:で、俺は離婚してたりして。
飯塚:それは面白い!
角田:やかましいわ!(笑)

東京03のファンが大集結! 彼らの素の声が聞ける貴重なイベントをレポート!

 限定版『東京03 DVD BOX』と同時発売『後手中の後手』の2タイトルDVDを購入して応募した人の全員が招待された、東京03の10周年感謝イベント。
 どしゃぶりの雨の中、たくさんのお客さんが集まってくれました。客入れの時には、単独ライブで使用された音楽がBGMに。「この公演、見た」「懐かしいね」なんて声があちこちから聞こえてきました。
 
 東京03が登場すると、お客さんは拍手でお出迎え。
角田「ここに来ている人は、全員ファンなんでしょ? ありがたいねー」
飯塚「ただね……、ファンの覇気がない!」
豊本「出番まで、舞台袖から客席を見ていたんだけど、これだけ埋まっているのに、人気(ひとけ)がないんだよ(笑)」
 コント師・03のファンだけあって、落ちついた大人が多いようです。
 「どこから来たの?」と飯塚さんが客席に問いかけると、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地から来ていることが判明! さらに年齢を聞いてみると、高校3年生の女の子を発見。
角田「その若さで僕らのネタを好きというのは、人間のいろんな面を見てるんだねぇ(笑)」
 オープニングトークに続いて、昔のネタを見ながら生でコメンタリー解説をするコーナーに入ります。DVDに収録されていない『TRUE LOVE』というコント(『torio de sunshine』公演)をみんなで見ながら、03が解説してくれます。貴重な体験なだけに、ファンは大喜び。一方、03は「お客さんと一緒にネタを見ることなんてないから、恥ずかしい……」と照れていました。
 ネタは、「ミュージシャン志望だった昔の彼氏が忘れられないの」という豊美を引き留める飯塚。そこに昔の彼氏(角田)が現れ、「オリジナルソングを作ったんだ」と歌い出します。その歌が超ヒット曲、藤井フミヤの『TRUE LOVE』だった、というもの。
 飯塚さん演じるサラリーマンが、豊美への思いを語るシリアスなシーンで、なぜか客席からは笑いが。思わずVTRを止める飯塚さん。
飯塚「なんで今、笑ったの!?」
 具体的には説明できませんが、なぜか面白いんです、シリアス演技の飯塚さん。ちなみに飯塚さんがカッコいいシーンを演じる時は、草刈正雄さんをイメージしているそうです。そして、出オチのはずの角田さん登場シーンでは、あまり笑いが起きず……。
角田「飯塚さんのシリアスな芝居が笑いを取るのに、俺が出てきてもスベるって、どういうこと!?」
飯塚「というか角ちゃん、このコントでは終始スベってなかった?」
 さんざんな角田さんでした(笑)。
 
 そして、今回のイベントの目玉と言っても過言ではない企画。豊本さんが書いたネタを、3人でやってみる、というもの。

飯塚「“ファン感謝イベントで何をやりたい?”と聞かれて、“豊本が書いたネタをやりたい”と即答したんだよね。そうしたら、本当にネタを書いてきたんだよ」
豊本「書くのに慣れていないから、少し書いては他のコントを書いて、というのを繰り返して……。最後まで書き上げたのは3本」
飯塚「3本!? 何を勝手に3本も書いてるんだよ(笑)」
 豊本さんの書いたネタのプリントを配られたふたり、見た瞬間に笑い出します。
角田「いいねー、東京03にはないテイストだよ」
 何しろ役名が、角田=ドラゴン、飯塚=5階の番人、豊本=ウォン。確かに、東京03の単独ライブではまずお目にかかれない設定です。初見だけに、読み合わせっぽくネタを披露。ウケはかなり良く、飯塚さんは読み終わると「これ、鬼ヶ島にFAXしよう」とポツリ。渡されたネタをその場で読んで、それなりの形にしてしまうふたりに、豊本さんは「マジで初見なのに、すごいなぁ」と感心していました。

 最後は、お客さんから事前に募った質問に答える『Q&Aコーナー』。
「今までで一番印象に残っているお客さんは?」という質問には、
飯塚「板付き(最初から舞台の上に出ていること)で登場して、幕が上がったら子供が“何だ、アイツ!”と叫んだんだよ。そりゃ、いるよー!(笑)」
「ポンチョ角田さんが、結婚にこだわる理由は?」との問いには、
角田「こだわってるわけじゃないし、できれば1回で済ませたかったよ! 逆に、なんでアナタたち(飯塚・豊本)はしないの?」
飯塚「だって……、角ちゃんは俺の彼女を全部知ってるでしょ? (結婚は)無理でしょ?」
角田「無理だね〜。飯塚さんは結婚しない気がする」
飯塚「いやだー! 結婚したーい!」
 そして、「純粋に好きな芸人さんを教えてください」という質問には、
角田「サンドウィッチマンかな」
飯塚「面白いよねー。あと、声質がいい」
豊本「僕は……バカリズムかな」
飯塚「その辺はダメだよ! バカリズムとかバナナマンとか劇団ひとりとか、一緒にやってる人は挙げちゃダメ! だって、俺はパーマ大佐を挙げようと思ってたくらいなのに。パーマ大佐、すごいぞ。19歳でフレッシュさゼロ(笑)」
 「角田さんが加入して良かったこと、悪かったこと」を聞かれて、
飯塚「角ちゃんがいると今日みたいなイベントの日に雨が降るから、“入れなきゃよかった”と思ったよ(笑)。でも、それ以外は良かったことずくめだね」
豊本「角ちゃんが入ったから、何とかやってこれてるんだよ」
飯塚「神様からの贈り物だよね」
角田「……後でおごらせてくれ(笑)」

 と、ほっこりトークでイベントは終了。最後に03と二人三脚でずっとやってきた根本マネージャーが登場して「今の夢はハワイ公演」と語り、「ハワイ公演を実現した場合、どれくらいお客さんが来てくれるのか」とアンケートで確認していました。実現するのか、楽しみです。
 おまけのサプライズで、来場者全員に“東京03ブランケット”のプレゼントが。こういうお祭り的なイベントは開催する機会が少ないだけに、東京03にもファンのみなさんにとっても、忘れられない10周年になりそうです。