今回も全国8ヵ所・全20公演と、芸人憧れの全国ツアーを成功させ続けている東京03。17回目となった単独ライブ『時間に解決させないで』のコントには、彼らの変わらぬ仲の良さはもちろんのこと、時間を経て変化したコントの作り方など、回を重ねてなお人々を惹きつける東京03ならではの魅力がたっぷり詰まっていました!

 

 
●今回も飯塚さんが考えたタイトル『時間に解決させないで』について、角田さんと豊本さんの感想は?
角田晃広(以下、角田):3部作なので、『あるがままの君でいないで』『時間に解決させないで』と来るわけですが、これは特に、非常に耳が痛い! よく“あるがままの自分でいる”っていうか、“いいじゃん”みたいな、“時間が解決してくれるわ”みたいな言葉がありますが、こう、逃げ道として使っていた人間として耳が痛いなと。“捕まっちゃった!”っていう感じです。僕と同じように思う人もいるんじゃないですかね?
豊本明長(以下、豊本):大いに共感ですね。
角田:こう、タイトルがグッとくる。
飯塚:そんなつもりでタイトル付けてないよ(笑)。
角田:いや、グッと掴まれましたね。3部作だからこの感じが3年続くのか、“なげーぞこれは”と。今年のタイトルもね(『明日の風に吹かれないで』)、やっぱりグッときましたね。
飯塚悟志(以下、飯塚):そんな風に受け止められると思わなかった。でもなんとなくこう、『あるがままの君でいて』って言葉とか、あんまり好きじゃなかったですね。“いや、お前は違うからな!”って。
角田:あー!グッとくる!
豊本:これこれこれこれ!
角田:人によるってやつでしょー。
飯塚:そう、人によるのよ。“それ以上がんばらなくていいよ”ってとこまでやった人に掛ける言葉だから。
角田:はーいはいはい、はーいはいはいはい。
飯塚:中途半端な奴が。
角田:おーおーおーおー。
飯塚:自分もそうだと思わないで欲しいんですよね。
角田:うわー!
豊本:くるねー(笑)。
 
●最初のコント「同期会」では、ちょっとそういう、言葉が帰ってくる感じがありますね。
飯塚:そうそう、結局こういうことは自分にも帰ってきちゃうんですけどね。
 
●このライブのネタ作りは順調でしたか?
飯塚:いつもノルマがあるんですが、僕と角ちゃんで3本ずつ合わせて6本、最後の1本はオークラが。で、毎回角ちゃんが1本苦しんでますね。最後に作ったネタが「5年分の想い」。これは角ちゃんが絞り出したネタです。
角田:そうなんです。あるやりたい設定があって、それをコントにするのに悩んで、構成は飯塚さんが考えてくれました。その後、稽古をやりながら改良していったんですが、それほどカッチリ決まってる感じではなかったので、公演中にも尺がのびたりしながら、どんどん出来上がっていきましたね。
飯塚:その変化を僕はあんまり見てなかったんですよねえ。
角田:見なさいよ!
飯塚:袖で手伝ってくれる後輩がいるんですけど、彼が毎回観て、角ちゃんの調子を僕に報告してくれます。“あの部分がピークでした”とか、“今のとこ、今日はダメです”とか。
角田:うるせーよ(笑)。“あんまりだったなー”っていうのもちゃんと報告されてるんですね。まあまあ、そんな日もありますよ。っていうか観てなさいよ。
 
●袖から角田さんをチェックしてアドバイスしたりはしないんですか?
飯塚:あー。全然、全然。
角田:“あー”じゃないよ! “そんなわけない”みたいな感じおかしいだろ。
豊本:ははははははは!
 
●豊本さんはどういう気持ちで角田さんを観てるんですか?
豊本:“今日はウケてるなあ”とか思ったり。あとツアー周ってると、飯塚さんのキッカケが出ず追い込まれて“本当にもう弾尽きた”っていう、ライフがゼロになる瞬間があるんですけど、そこで“ビックカムバック”みたいなのがあるんですよ。“急に生き返った!”みたいな。
角田:飯塚さん次第でやり続けるしかない状態なのでね。
飯塚:信じてますからねえ、角田さんを。
角田:観てねーじゃねーか(笑)!
 
●「5年分の想い」には、豊本さんの女装キャラ・豊美が出てきますね。豊美の可愛さはどのように作り上げてるんでしょう?
豊本:昔はそれこそ衣装だけでやってましたけど、そのうち飯塚さんから“さすがにもうきついぞ”と。“せめてズラ付けるとかなんかしないとこれやべーぞ”ってなってきたので、ズラを付けたりとか。衣装さんと相談して何パターンも女性の衣装を持ってきてもらってたりもしてますね。
 
●今回の豊美はちょっと小悪魔的な気がしました。
豊本:えー! あはははは!
角田:そうそう! あれはね、誘ってますよね。
飯塚:確かに最初のところは“ちょっとカワイくして欲しい”って豊本に言いました。篠原涼子さんのイメージです。ちょっとホロ酔いのね。
豊本:なるべく近づけるようにはしましたよ(笑)。
 
●「旅の達人」はどのようにして出来たんですか?
角田:初めての海外旅行がなんでそこなんだ、と。それをコントにしようとしたんですが、相当難しくて。そしたらまあ、飯塚さんが構成やら何やら、“こういう設定からの話だったらいけるんじゃないか”ということで出来ました。最初のとっかかりだけでぶん投げてますから(笑)。彼はそれをコントにしてくれるんですよ。なので基本、全構成は飯塚さんです。
飯塚:昔は角ちゃん丸々コント書いてたんですよ。それが最近どんどん甘えてきてて、なんかもう、“ああ最初から最後まで全然書く気がねーな”と思ったから、やるしかない。だって単純に締め切りはあるから。
豊本:締め切りまでにコント作らなきゃいけないからね。
飯塚:彼がやらない以上、僕がやるしかない。こういうことは気付いたもん負けなんですよ。そこで僕は負け続けてきたんです、この12年間。
 
●まさに、時間に解決させてますね。
角田:グッときますね!
飯塚:だから、そんなに角ちゃんがやりたいんだったらとりあえず形にしようと。
角田:感動しますよね、面白いのが出来上がってくるので。今回は自分で丸々1本作ったコントはないです。
飯塚:しばらくないですよ、ほんと。昔は書いてたんですけどねえ。いつからこうなったんだろう。
角田:気づけばねえ。
飯塚:このコント難しかったんですよ。僕の中ではちょっと強引な感じで、軸をもう1本増やしたという。角ちゃんが持ってきた最初のとっかかりだけでどうやって作るんだと。でもとっかかりは面白いと思ったんです。毎回そこなんですよ、結局。だからなんとかしないと時はどんどん過ぎていくから。“ダメだよ” “ちゃんとやれよ”って角ちゃんに言ったところで軽くふてくされるだけだし。
角田・豊本:はははははは!
 
●「防犯」はどちらの作品ですか?
飯塚:これも角ちゃんが。
角田:これは飯塚さんプラス舞台監督さんにも協力してもらいました。舞台監督さんもなんでも引き受けてくれて実際なんとかしてくれるんですよ。周囲になんとかしてくれる人が多いんです。いやありがたいですねえ。
飯塚:でもこれはほんとに面白いと思いました。彼が考えたところは間違いなく面白いと思ったから、“なんとかしてやろう”と思って。そこまでのものを持ってきてくれるとありがたいんですけど。“これは絶対やろう!”と思うところまで。
角田:はははははは!
飯塚:“全然気乗りしないけど、すげー言ってくるから作るか”みたいなのが、しんどい。
角田:じゃあこれはよかったです。
飯塚:確かにこれはほんと角ちゃんにしか発想できないようなネタだと思いますね。たまーにあるんですよ、そういうのが。
 
●ダメ男と別れられない女性のような。
飯塚:そんな感じ(笑)。
 
●飯塚さんが作ったコントは?
飯塚:「20年来の友人」は僕なんですけど、そもそもは“下の名前で気安く呼ぶ人が嫌だな”みたいなネタを作りたかったんです。それを角ちゃんに“どう?”って聞いたら、角ちゃんは逆に“下の名前で呼びたい憧れがあるけど自分はできない”と。その経験談として、僕らのラジオで角ちゃんがよく名前を出す大学時代の親友がいるんですが、彼のエピソードを僕らに話すときは下の名前なのに、本人にはそう呼んでないんですって。苗字で呼んでる。すげー気持ち悪くないですか!? それが発覚したので話を変えました。
角田:呼びたかったんですけどね~。ずっと苗字になっちゃって。でも名前で呼びたい気持ちはずっとあったんで、どこで呼ぶかって言ったら、本人いないところになっちゃうんですよね。
飯塚:相当怖いよね。めちゃめちゃ闇深い。
角田:このコントではその思いが乗ってますね。
飯塚:セリフが強めに来るんですよ。覚悟決めた感じの強さで。それがねえ、面白いんですよ(笑)。強さに笑っちゃうんです。
角田:“いくからね! これでいくからね!”って感じで(笑)。
 
●「角田の秘密」には、どのような想いが乗ってますか?
飯塚:これにそんな思いはないです(笑)。ギュッとさせたら1,2分で終わるショートコントをただただフリを長くしただけ。
豊本:ほんとに単独ライブしかできないですね。
角田:贅沢なね。
飯塚:これ、稽古中に遊び過ぎちゃって。稽古のとき、角ちゃんがちょっとセリフの言い方を張ったんですよ。張ったのがまた面白くて、そのまま初日迎えちゃって。DVDには戻った状態が入ってるんですが。
角田:元々のセリフに飽きて違うこと言ったら面白く感じたちゃっただけだったんですよね。
飯塚:何周も回っちゃって、結局、東京公演はそれでいっちゃったんです。それが“いまいちウケねーなー”と思って、よくよく考えたら“あそこのセリフ張ってんのおかしくねーか”って。次の大阪公演から元に戻してみたらウケるんですよ。ああいうのはもうほんと目を光らせとかないとね。
角田:何回もやってると飽きちゃうし、麻痺しちゃうんですよね。
豊本:稽古中のことだったので、僕も普通に笑ってました。
飯塚:最初の東京公演に来てくれたお客さんには申し訳ないですね(笑)。
 
●最後のオークラさんのコント「許せる心」の感想は?
飯塚:面白かったですね。
豊本:いやあ、面白かった。
飯塚:最初の角ちゃんの長台詞にはビックリしましたけど。ギリギリに出来上がったのに(笑)。
角田:このコントが全部出来上がる前に、オークラさんが稽古場に来て作ってるときがあったんですが、パソコンの画面をちょっと覗いたら、冒頭が膨大な量で。だから出来上がる前にそのページだけプリントアウトしてもらって覚えてました。全体知らないけど、とりあえず覚えるというところから始めましたよ。
 
●ちょっと世間的にタイムリーな設定になってますね。
飯塚:本当ですよね! こんなにブームになるとは(笑)。
 
●特典映像には三者三様の“やりたいこと”が収録されてますね。
角田:僕のやりたいことは、お察しの通りです(笑)。
飯塚:僕は本当にずっとやりたかったことなんですよ。以前番組でやったコントなんですが、すごく好きで。東京03の3人ではやってないのでもったいないなと思ってたんです。だからこのタイミングしかなくて、ここでしかできないと。番組プロデューサーに了承を得てやらせてもらいました。
豊本:僕はプロレスが好きだからというこの1点で。面白さを伝えられたらいいなと思ったんですが、男色ディーノさんにも出ていただいて。これもここでしかできないです。
 
●最後に読者にメッセージをお願いします。
飯塚:これ、けっこう全ネタ好きなんです。なかなかないんで、そういうことが(笑)。すごくネタのバランスのいいライブになりましたし、最初から最後までずっと好きなネタが並んでるので、ぜひ観てもらいたいです。
豊本:確かに周りの人に聞くと、面白かったネタがバラバラというか分かれるというか、均等に粒揃いだと思います。プロレス・ファンの方にもぜひぜひ買っていただければと思います。
角田:あのー、僕の「やりたいこと公演」に出てくるんですが、“ヤンチン”という楽器があるんだぞというのを知ってもらいたいなと思います。

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