常にクオリティの高いコントを提供し続けるコンビ、ザ・ギース。結成10周年を記念して、彼らのコントセレクションDVDが発売された。テレビで披露した有名なネタから、ライブでしか演じたことのないレア・コントまで、バラエティ豊かなラインナップとなっている。ギースの芸の幅の広さと、彼らに限界はないことを感じさせてくれる1枚だ。

●『ニューオールド』には『キングオブコント2008』の決勝で見せてくれたコントや、ネタ番組で披露してきたものなど、できた年代を問わず幅広く収録されていますね。たくさんのコントからここまで絞るのは大変だったと思いますが、収録するネタはどうやって決めたんですか?
尾関高文(以下、尾関):ふたりでお互いに“このネタを入れたい”というものを持ち寄ったのですが、『オンエアバトル』でたくさんコントをやったので、僕はその中からキロバトルが高かったものを中心に選びました。“ウケたヤツしか出さない”という守備的な案を出したのですが……。
高佐一慈(以下、高佐):僕も基本はそうなんですが、あとは単独ライブDVDに入っていないもの、そしてテレビで一度もやっていないコントも、ひとつくらいは入っていてもいいのかな、と入れてみました。

●テレビでやったことのないネタは、どれですか?
高佐:「長谷川」「SMの世界」「自殺」かな。

●特に「SMの世界」は、テレビじゃ無理でしょうね。
尾関:一度、どうしてもやりたくてテレビ局に台本を送ったんですが、“これはダメです”と断られたもんね(笑)。

●このネタには、ピーという放送禁止音が入っていますが、その正解はライブを観た人しかわからないんですね?
高佐:DVDを購入して発売記念イベントに参加してくれた人に副音声入りCDを配るんですが、そこに正解が入ってます。

●それは知りたい! ちなみに、おふたりが選んだネタでかぶったものはありましたか?
高佐:けっこうありましたよ。「手は口ほどに物を」「歩行者教習所」「自殺」「出生の秘密クイズ」「レッスン」「卒業式」ですね。
尾関:ネタ選び、もうちょっと守りに入ってもよかったかなぁ……。
高佐:そう? けっこう守ってる気がするけど。

●客観的に見て、攻めている気がしました。「SMの世界」もそうですが、「自殺」がすごい。自分たちのことを“ずっとシュッとしたネタをやってきたのに!”と言い切っちゃうところとか。
尾関:あらためて言われると、恥ずかしいですね(笑)。

●それでは、中でも“これは絶対に入れたかった”というネタは?
高佐:僕は「手は口ほどに物を」か「歩行者教習所」かな。かなり昔のネタなので、最近はなかなかやることがなかったから。「手は口ほどに物を」は、『オンバト』で初めてやったネタなんですよ。
尾関:僕は「インタビュー喫茶」。長いし、そんなに爆笑が起きるネタではないんですけど、個人的に好きだし、周りでも好きな人は“超好き”と言ってくれるネタなので、お気に入りです。
高佐:野球が好きな人は、割と好んでくれるネタだよね。

●収録はライブ・スタイルだったそうですが、いかがでしたか?
尾関:久しぶりにやるネタは直前まで思い出して、超練習して。なのに当日、高佐は39度の熱があるし……。
高佐:解熱剤飲んで、本番ギリギリまで寝て。そして尾関は尾関で、“歯が痛い”と。
尾関:眠れないくらい歯が痛かったんですよ! しかも当日は、「7月史上最大の台風が関東に上陸」と言われていた日だったし。
高佐:でも、ライブの出来としては、満足です。やりながら、いろいろ思い出したし。練習の時は思い出さなかったことを、本番で思い出したり。
尾関:当時の古いワードは、イマドキの言葉に代えたから、微妙にアレンジは加えているんだけどね。
高佐:そうだ、本番で思い出したのが、「歩行者教習所」で尾関と手をつなぐシーンがあるんですよ。このコント、もう6〜7年やってないから……。
尾関:最近は手をつないでいなかったね(笑)。
高佐:そう、久々につないだら、パパの手になってた!
尾関:そんなこと思ってたの!?
高佐:思った、思った(笑)。老いを感じたよ。

●ネタを作った当時を思い出してみて、一番苦労したものは?
尾関:これは「卒業式」ですよ。本当にめちゃくちゃ疲れた! この時の単独ライブがあまりに大変で、眠れないわボロボロだわで、僕はアキレス腱を切ったんですもん。でも、このネタは“なんか面白そうだな”という思いがあって、ギリギリまで作っていたんです。しかもなんとかライブを終えた1ヵ月後、またアキレス腱を切っちゃうし……。あの瞬間はがく然としましたね、“また1ヵ月、松葉杖かよ!”と。

●大変だったんですね……。
尾関:アキレス腱、最初はギブスで固めて自然治癒に任せていたんです。でも二度目は、さすがに手術しましたね。皆さん、アキレス腱が切れた場合は、すぐ手術したほうがいいです!
高佐:何のインタビューなんだよ(笑)! 僕が大変だったのは、「自殺」です。観てもらったらわかるんですけど、普段では考えられないようなテンションでやっているんです。こんなに感情をむき出しにすることがないですから、最初はこのテンションまで持っていくのが大変で。でもやっていると、だんだん楽しくなってくるんですけどね。
●そんな色とりどりのネタが収録されている結成10周年記念DVDですが、やはりベスト盤を出したいという思いがありましたか?
高佐:出したいとは思っていましたが、「今出していいのかな」という気持ちもありました。ちょっとおこがましいという思いもあるので。でも、コンテンツリーグさんから声をかけていただいたので、“じゃあ、ぜひ”と。
尾関:やっぱり、何か大きな賞を受賞してからじゃないとカッコつかない、というところはあるもんね。だから、“結成10周年”とはうまく理由をつけてくれたなぁ、と(笑)。絶妙にありがたかったです。

●“ベスト盤を出してほしい”という声も多かったのでは。
尾関:たまにありましたね。
高佐:発売されると決まったら、“絶対買います”というリアクションをいただいて、嬉しかったです。

●おふたりからぜひ、本作の観どころを。
高佐:僕らが歩んできた10年の中で、初期のネタから最近のものまでいろいろと入っているので、ファンの人はもちろん、ファンじゃない人にもバラエティに富んだ部分を楽しみに観てもらいたいですね。あとは「SMの世界」のピーが何なのか、それはぜひイベントで配布するCDで(笑)。自分たちで言うのもなんですが、シュッとしたネタから体を張ったものまで収録されていますから、いろんなギースを観てもらいたいです。
尾関:“ギースのネタをちょっとしか観たことない”という人が観ても楽しめるネタがたくさん入っているので、ぜひそういう方に観ていただきたいですね。特に僕は、『アメトーーク!』の「広島カープ芸人」に出演して以来、よくTwitterで“尾関、カープ芸人でしか見たことない”と言われるので。そういう人にも、ぜひ観てもらいたい。

●それでは、最後にメッセージをお願いします。
高佐:僕らのネタを全部観た人って、いるのかなあ。
尾関:ファンの人も、けっこう世代交代したり、昔観ていてまた戻って来た人とかもいるよね。だからこのDVDで、ギースの歴史を感じてもらえれば。
高佐:しかも、当時のネタをちょこちょことマイナー・チェンジしているので、観たことのあるネタだとしても、また新鮮に観られるかもしれません。
尾関:あと、テレビでできないネタも入っているので、ギース・ファンでも観たことのないネタがあるかも。ぜひご確認ください。

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