読書の秋到来! コラムや小説を出版したり、ついに芥川賞受賞芸人が誕生するなど、お笑い界には文学の才能溢れる芸人たちがたくさんいます。そこで各事務所の芸人たちにこの秋オススメの本を教えてもらいました! 彼らの感想を参考にぜひまだ見ぬ一冊を手にとってみてください!

 
 
<まんぷくフーフー・松丸ほるもん>芸歴8年目・31歳 (ワタナベエンターテインメント)
 
 


まんぷくフーフー・松丸ほるもん
(*写真右)
●普段どのくらい本を読みますか?
普段あまり本は読みません。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
大平光代「だから、あなたも生きぬいて」
 
●その本を読んだきっかけは?
親がくれました。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
作者さんの実話なのですが、信じられないくらい波乱万丈で、でもどこか共感できる、思春期の頃の思い出の本です。この本に影響されて、弁護士になりたいと一瞬思いました。
ほとんど本を読まない私でも、”人は、頑張れば人生変えられるんだ”と、とても勇気付けてもらって記憶に刻まれている1冊です。

 


 
 
<丸山礼>芸歴2年目・20歳 (ワタナベエンターテインメント)
 
 


丸山礼
●普段どのくらい本を読みますか?
普段あまり本は読みません。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
西原理恵子「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」
 
●その本を読んだきっかけは?
本を読む習慣があまりないのですが、母にオススメされて読みたくなり、プレゼントしてもらいました。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
「うんうん」「ふむふむ」の連続。自分も家族のこともぜーんぶ自分でまかないきれるくらい強く、「稼げるようにならなきゃ」と学びました。
「自分でお寿司を食べ、ダイヤモンドを買う女になりなさい」という言葉が印象に残っていて、この本を読んでからはわたしもこの言葉を意識して日々ネタ作りに励んでいます!
今まで一日スマホをイジってた時間ももったいなくなってこの本に見入っちゃうほど集中して読みました。

 


 
 
<脳みそ夫>芸歴12年目・37歳(タイタン)
 
 


脳みそ夫
●普段どのくらい本を読みますか?
前は1ヶ月に3〜4冊、読んでた〜すけど、ガラケーからスマホに変えてから、1冊くらいに減った〜す。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
村上龍「コインロッカーベイビーズ」 
 
●その本を読んだきっかけは?
BUCK-TICKのメンバーが読んでたから〜す。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
設定は現代なのに、全体を覆う雰囲気がサイバーパンク〜す。
情景をイメージし易い描写が、これでもか!とぎっしり詰まった文章で、自分の脳内だけで流れるムービーを観てる感覚に、おったま遣隋使!
主人公のキクとハシ、どちらか一方に必ず感情移入できる点も面白い〜す。
ただ、ちょっとキモイ描写もあるので、そういうとこは飛ばしちゃっても大丈夫〜す。(体調がいいときに「あそこ読んでみよっかな〜す」くらいのスタンスで)
あとストーリーが長いので、「自分の好きなとこだけ読む〜す!」でもいいかも。でも結局は全部読むことになる〜す。この本、むちゃくちゃ面白くて、びっくら古今和歌集!なので。
 
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<XXCLUB・大島>芸歴1年目・24歳(タイタン)
 
 


XXCLUB・大島(*写真左)
●普段どのくらい本を読みますか?
月50冊くらい。読み終わらないものも多い。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
水木しげる「妖怪画談」 
 
●その本を読んだきっかけは?
4歳くらいの時に書店で見つけて親に買ってもらった。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
この本に載っている妖怪の絵をひたすら模写する不気味な子供でした。いま私の周りには妖怪のような先輩が沢山います。推しの芸人さんを見つけるような気持ちでお気に入りの妖怪を探してみて下さい。

 


 
 
<畠山>芸歴12年目・35歳(プロダクション人力舎)
 
 


畠山
●普段どのくらい本を読みますか?
平均して月2冊程度のペース
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
蔵前仁一/鎌倉文也/山本 高樹/金子 貴一「世界の辺境案内」
 
●その本を読んだきっかけは?
僕は世界遺産が好きでマイスターの資格を持っているのですが、そのマイスターの知らない面白い場所がたくさん載っていたので。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
この本は普通のガイドブックには載っていないような世界中の辺境や、立ち入り禁止区域をこれでもか!」というくらい教えてくれます。地獄の紋と呼ばれる灼熱の穴やクリスタルの洞窟など地球の神秘を感じる場所、各国の軍事機密基地、普通のおじさんが勝手に独立宣言をして作っちゃった国など枚挙に暇がありません。
中でも特に魅力的なのが、ノルウェーの極寒の地にあるスバールバル種子貯蔵庫。ここは地球規模の大災害による農作物絶滅の危機に備えて世界各国から種子を集め、貯蔵している巨大な施設。植物版ノアの方舟のような素晴らしい場所なんですが、出資しているのがビル・ゲイツやロックフェラー財団、巨大アグリカルチャーなど何だかきな臭い! 崇高な理念の裏で食料ビジネスを操り、世界の人口を操作しようとしているのではないかという陰謀説もささやかれている場所です。真相はどうあれ普段テレビや本などであまり見かけない場所ばかりを紹介してくれるこの本。秋の夜長に、こんなところもあるんだなーと読みふけるにはもってこいの一冊ではないでしょうか。

 


 
 
<ヤマグチクエスト>芸歴5年目・28歳(プロダクション人力舎)
 
 


ヤマグチクエスト
●普段どのくらい本を読みますか?
1ヶ月で5冊前後読みます。積み書が多いので、読むときは一気に読みます。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
キャロル・オコンネル「クリスマスに少女は還る」
 
●その本を読んだきっかけは?
アガサ・クリスティで海外小説に興味を持ち、探していたところタイトルを見て「なんで『帰る』じゃないんだろう?」と気になったので。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
少し残酷なお話ではありますが、タイトルの『還る』という言葉の意味がわかった時のカタルシスたるや。邦題が素晴らしい。
傑作でありながら、作者が日本であまり有名ではないという点や、海外作家の作品は翻訳版で読むと、なんだか表現が回りくどかったり、登場人物の名前も覚えづらかったりなど、日本の作家でないというだけで海外小説は敬遠されがちなので、これをきっかけにぜひ読んでみてほしいなと思います。
これが読めて面白いと感じれたなら、海外小説の見聞をどんどん広げるべきだと思います!

 


 
 
<三四郎・小宮>芸歴13年目・34歳(マセキ芸能社)
 
 


三四郎・小宮
●普段どのくらい本を読みますか?
2ヶ月に1冊くらい。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
中原昌也「マリ&フィフィの虐殺ソングブック」
 
●その本を読んだきっかけは?
友達に勧められました。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
教訓も感動も何も残らなかった。
短編小説で胸糞悪くなったが、10年前読んだんですが、今でも印象的で明確に覚えています。
最低で最高の作品です。
 
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<ジグザグジギー・宮澤>芸歴11年目・33歳(マセキ芸能社)
 
 


ジグザグジギー・宮澤
●普段どのくらい本を読みますか?
1ヶ月に1冊〜2冊(プロレスの書籍のみ)
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
ケンドー・カシン「フツーのプロレスラーだった僕がKOで大学非常勤講師になるまで」
 
●その本を読んだきっかけは?
プロレスラー生活25周年のカシン選手の初めての著書なので、買わずにはいられなかった。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
「プロレス界きってのへそ曲がり」と言われるカシン選手の半生やプロレスラーになってからの話がどれもとても面白い。 自分と関わったレスラーについて語る時に、必ず一言多いのも、最高。 ケンドー・カシン選手らしさが爆発しています。 自分の周りのプロレス好き芸人は、みんなこの本を購入して読んでいます。 プロレスファン大注目の一冊です。
 
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<夕暮れランプ・東>芸歴7年目・30歳(サンミュージック)
 
 


夕暮れランプ・東
●普段どのくらい本を読みますか?
1ヶ月に3〜5冊程度です。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
乙一「zoo」
 
●その本を読んだきっかけは?
高校の頃、友人の勧めで。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
短めの作品が十作ほど詰められたミステリ短編小説なのですが、まずはその読み易さです。やたらと難しい文字を使おうとせず、現代口語に近い文字で全ての作品が綴られています。
一卵性双生児で見た目は同じはずなのに、誰からも愛される妹、周りどころか親からも虐待を受けている姉の話「カザリとヨーコ」
とある日を境に、父には母が見えず、母には父が見えず、でも自分には両方が見えていて、2人は自分だけが見えるという「そ・ふぁー」
猟奇的殺人鬼に捕まってしまい、何もないコンクリートの部屋に監禁された姉弟。部屋の中には小さな用水路が流れており、毎晩そこから細かく刻まれた人の死体が流れてくる「SEVEN ROOMS」
全て読み終わった後に「本当に一冊の本にこれだけの内容が?」と思えるほど、濃密で重厚な満足感を得られると思います。

 


 
 
<村民代表南川>芸歴1年目・23歳(サンミュージック)
 
 


村民代表南川
●普段どのくらい本を読みますか?
1ヶ月に3〜5冊くらい。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
小山田桐子「将棋ボーイズ」
 
●その本を読んだきっかけは?
高校の頃の部活の先輩が主人公のモデルになったから。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
天才と落ちこぼれ、2人の主人公の苦悩と成長を描いた青春物語で、母校の将棋部がモデルになっています。
視覚的には地味な競技である将棋を軸に据えながらも、競技自体や人間模様などの熱を感じられる本でした。王道中の王道ですが、超へっぽこの落ちこぼれ主人公がメキメキと力をつけていく様は将棋部が舞台でも読んでいて気持ちいいものです。
加えて、「○○さん、美化されてんなぁ」と、モデルになった先輩方(現実)と主人公たちを比べてニヤニヤしてしまいましたが、これに関してはOB部員の特権かもしれません。
将棋のルールを知らなくても楽しめるようなストーリーになっていて、とても取っ付きやすくオススメです!

 


 
 
<マシンガンズ・滝沢>芸歴19年目・41歳(太田プロダクション)
 
 


マシンガンズ・滝沢(*写真左)
●普段どのくらい本を読みますか?
月に2〜3冊。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
村上龍「限りなく透明に近いブルー」
 
●その本を読んだきっかけは?
学生時代、サブカルチックな友人が読んでいて、勧められて読んでみた。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
これまでに100回は読み返しています。行き場のない閉塞感が、読んだ当時の若い時分と重なって感じられた。
 
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<アルコ&ピース・平子>19年目・38歳(太田プロダクション)
 
 


アルコ&ピース・平子(*写真左)
●普段どのくらい本を読みますか?
最近は月に4冊(以前はもう少し読んでいました)。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
山崎豊子「大地の子」
 
●その本を読んだきっかけは?
子供の頃、山崎さん原作のドラマを父が観ていて、描かれ方が深いと感心していた。その時に「大人になって分かるようになったら見るといい」と言われた。
大人になって、山崎豊子作品は全て読みました。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
ニュースで表面上しか知らなかった中国残留孤児の問題を、もっと深く描いている。
 
アルコ&ピースのDVDはこちら

 


 
 
<オジンオズボーン・篠宮>芸歴19年目・34歳(松竹芸能)
 
 


オジンオズボーン・篠宮
●普段どのくらい本を読みますか?
週1冊くらい。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
鈴木美潮「ヒーローたちの戦いは報われたか」
 
●その本を読んだきっかけは?
特撮ヒーローを一番愛しいてると言っても過言ではない読売新聞の鈴木美潮さんが満を持して本を出されるということで買いました。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
特撮の歴史を追っていきながらそのときの時代背景も書いてくれているので、放映当時の空気感を感じながら色々と知ることができます。特撮に興味ない人にもわかりやすく書いてあるので、読めば特撮に興味が沸くこと間違いなしです。
 
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<ウルトラトウフ・カモシダせぶん>芸歴11年目・29歳(松竹芸能)
 
 


ウルトラトウフ・カモシダせぶん
●普段どのくらい本を読みますか?
週2冊以上、月8〜10冊、普段書店でアルバイトしてるので触ってる本は何千冊とあります。
 
●オススメの本のタイトルを1冊教えてください。
倉狩聡「かにみそ」
 
●その本を読んだきっかけは?
帯に「日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞」と書いてあったんですが、それなのになんか気の抜けたタイトル、漫画家・西島大介さんの可愛らしい表紙絵だったので興味が沸きました。
 
●本の感想、その本の面白いところなど、オススメポイントを教えて下さい。
この小説は、主人公の鬱々とした男と、頭のいいカニの出会いから始まります。男と人間味溢れるカニの間には友情が生まれ、カニはどんどんエサを求め、男はカニにどんどんエサを与え、やがて……といった話。
ホラー小説の中でもだいぶ変なほうだと思います。勿論ちゃんと怖いところは怖いんですけど、穏やかな部分も多く、はっきり言って和みます。そしてラスト、なんと泣けます。タイトル「かにみそ」なのに。人とカニとの友情に、泣けるんです。「かにみそ」なのに。
ホラー好きの方には勿論、小説は好きだけど、ホラーは苦手って人にもオススメな、カニで出汁をとったかのようなまろやかで味わい深いホラー小説です。是非とも。

 


 
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