鬼ヶ島の単独ライブは、オバケ屋敷や巨大迷路を訪れたかのような、楽しさと不安が同居するライブだ。奇天烈な設定で、奇妙なキャラクターたちが暴れ回る。なんとも言えないスリルと、呵々大笑できる気持ちよさが、彼らのライブの魅力なのだ。『恐怖学園』『地獄への通学路』と来て、第3弾DVDとなる『鬼ヶ島 単独ライブ「鬼ヶ島 イン ワンダーランド」』。彼らの世界を堪能すべく、ライブの裏側とプライベートにも迫ってみた。

●ネタあり、個人の歴史を振り返る企画あり、和田さんによる余興あり……とバラエティ感溢れる『鬼ヶ島 単独ライブ「鬼ヶ島 イン ワンダーランド」』でしたが、特に気になるのが“おおかわらPプロデュースアイドル「スイカ★ドロボー」”! ぜひ結成の経緯を教えてください。
おおかわら:まずメンバー紹介をすると、メインで歌うのはアイドルの王崎まりなちゃん。バックで踊るのが(アイアム)野田と、芸人の5GAP秋本、マキシマムパーパーサム長澤、そして社長(株式会社DUALIS代表取締役)の高橋(大輔)さん。高橋さんは僕の知人ですが、人には「詐欺師です」と紹介してます(笑)。元来、月1回公演の鬼ヶ島のライブで、“ハゲた人たちを集めて、いろんなことをやってもらう”という企画をやっていたんです。目隠し状態でパン食い競争とか、お客さんからは需要のないものを続けていたんですが(笑)、僕は楽しくて。そんな時に単独ライブの話になって、僕が「アイドル・グループを作ってみたい」と言ったら、マネージャーや知り合いのディレクターも乗ってくれて、ユニット結成となりました。

●メンバーの人選理由は?
おおかわら:秋本と長澤と野田は、ライブでやってた“ハゲダンサーズ”のメンバーです。

●……野田さん、ハゲてますか?
アイアム野田(以下、野田):僕もある意味“詐欺師”です(笑)。前髪で隠れてますけど、なかなかの剃り込み具合いです。
おおかわら:で、この3人をバックに、センターに可愛い女のコを据えて歌わせたいと思ったんですが、ふと「3人だとバランス悪くね?」となって、数合わせで入れたのが社長です。
野田:だとしたら、なぜ和田を入れない!?
和田貴志(以下、和田):もともと、「3人バラバラで何かをやろう」という話だったんですよ。僕はマジック、そして野田はエア・ドラムをやる予定でした。そのエア・ドラムが、最初の段階で「つまらない」という話になり、中止することに。
野田:X-JAPANのYOSHIKIに憧れていた身としては、やりたかったんですけどねー。でも、ふたりから正式にダメ出しをもらって。
和田:で、野田がおおかわらのユニットに入ったんです。稽古中、たまにスイカ★ドロボーの話になるんですよ。僕はその間、ずーっと喫煙所にいました(笑)。

●プロデューサー的に、出来はいかがでしたか?
おおかわら:予想よりも素晴らしい出来だったと自負しています。メンバーとも、「今後も続けていこう」と話しています。
野田:うちのマネージャーが、彼らのライブを観て涙したそうです。思い入れが強すぎて。
おおかわら:芸人としてこんなことを言うのはどうかと思いますが、単独ライブ約90分の中で、スイカ★ドロボーにダントツ時間がかかってます(笑)。

●とは言いながら、各ネタも鬼ヶ島さんらしいものばかり。皆さんのお気に入りネタをお伺いしたいのですが。
野田:「ワンダーランドの支配人」です。ずっと「やりたい」と言っていたネタで、僕のキャラは『アリス・イン・ワンダーランド』のジョニー・デップを意識しています。でも最初のネタで白塗りをやっちゃうと、慌てて拭かなくちゃいけないんですよ。強く拭きすぎたせいで、次の「地獄歯医者」では、顔が真っ赤になっちゃいました(笑)。
和田:僕はネタを書いていないので、今回はマジックをやることと、物販用のVTRを作るという課題を出されまして。VTRは10時間くらいかけて完成したんですが、BGMがDVDには使えないということで、このDVDに収録されていないんです……。だから、イチオシ・ネタはないです(笑)。
野田:僕、そのVTRを観ていないんですよ。ライブ中はバタバタだから。
おおかわら:僕もです。
和田:いや〜、いいVTRでしたよ(笑)。
おおかわら:僕は「walking dead」です。今回、スイカ★ドロボーに次いでやりたかったことが、「ゾンビが客席から出てくる」。頭の中にそれだけあって、他は後付けしたネタです。数年前に、マイケル・ジャクソンの舞台を観に行ったら、「スリラー」の時に客席からゾンビが現われて。「うわっ!」とびっくりしたら、演じていた外国人が「この日本人、リアクションいいぞ」と、僕の周りにばかりいるんです(笑)。それがすごく楽しかったので、念願の企画なんですけど……実際にやってみたら、意外とお客さんのリアクションが薄いぞ、と。
野田:あのね、ゾンビ側も心が折れそうだった(笑)。
おおかわら:舞台に上がる頃には、ゾンビが真顔になっちゃってて。それで登場シーンを改良して、DVDでは盛り上がったほうを収録しています。

●さらに、今回は皆さんのヒストリーも公開していましたね。
和田:僕の歴史は、出た瞬間にみんなオチがわかったと思いますが(笑)。
おおかわら:今年、たぶんですが、結成して10年くらいなんですよ。なので、自ら振り返ってみるのもいいかな、と。過去を文章にすることが初めてだったので、いろいろ書き留めているうちに、「小学生の頃、大人になってこんな人生を送っているとは予想してなかったなぁ」と本気で思いました。
野田:僕は、悲惨な過去でした。ここまで育ったのは、ハートが強いからです!
和田:僕だけは文章じゃなく、画像で。多くを語らずです(笑)。

●その歴史から、最後のVTR「野田のプロポーズ大作戦」へとつながっていくわけですが。
野田:実はこの時にプロポーズしたんですが、まだ挨拶に行けていないんです。籍もまだ入れていないんですが、間もなく入れる予定です。
和田:僕は離婚した後だったので、あのイベント中につばを吐いてやろうかと思いましたよ(笑)。

●このVTRの収録は、どういう形で進めたんですか?
おおかわら:野田が結婚すると言い出したので、「じゃあ、記念になるようなことをやれば?」と薦めたんです。そうしたら「あ、やる!」と自ら率先していろいろ決め始めて、こっちはちょっと引いちゃったんですけど。「自分の結婚なのに、そんなに率先してサプライズをやるんだ。キツイな、コイツ」と。
野田:いやいや、なんでだよ! オマエが言い出したんだろ(笑)!
おおかわら:しかも、お客さんのリアクションが、ほぼなかった。もっと「えーっ!?」とか、VTRの後に拍手、みたいな反応があると思ってたのに。
和田:鬼ヶ島ファンと、和田ファンと、おおかわらファンはいるけど、野田ファンはいないからね。
野田:僕のファン、いますよ! 夫婦ふた組! 夫婦で野田推しなんです(笑)!!

●和田さんは、このサプライズには企画から参加していたんですか?
和田:いいえ。僕、マジックも当日しかやっていないし、今回のライブに関しては、事前にまったく何もやってません。
おおかわら:だから、ギャラを三等分するのが本当にイヤで! 一度、野田に相談したんですよ。野田は「4対4対2にしたらどうか」と言ってました(笑)。
野田:だって、僕もネタは考えてるし!
おおかわら:ただ、金の話をすると、和田がガチギレするんでね……。

●本作の観どころは?
野田:「世界の終わり」というネタは、僕の同級生から「これが一番面白かった!」と言われました。この同級生は本当に面白いヤツなので、間違いないと思います!!
和田:観どころは……僕の白いタキシードの似合う具合いですかね(笑)。
おおかわら:あと裏設定としては、和田は本番10分前、別れた嫁から「金返せ」という電話がかかってきてました。そんな追い込みをかけられた和田が舞台を頑張っていると思って観ると、より深みが出ると思います。

●そんな鬼ヶ島さんのプライベートについても教えてください。ここ最近、一番楽しかった出来事は?
おおかわら:『ドラゴンクエスト10』のオンラインを始めたんです。そうしたら、オンライン上で全然知らない人たちと仲良くなっていって。今、パーティを組んでいるのが、千葉のパチンコ店の店長と、おっぱいパブに勤めている子と、キャバ嬢。この4人で、ボスを倒しに行ってます(笑)。これが味わったことのない感覚で、すごく新鮮なんです。まったく知らない人と教会の前で待ち合わせるとか、楽しくてしょうがないですね。
野田:ちょっとした流れで、内村(光良)さん、大竹(一樹)さんと行ったカラオケがめっちゃ楽しかったです。僕はずっと踊っていたんですが、大竹さんも一緒に踊ってくれて意気投合して、終わってから「また飲もうよ」と連絡先を交換しました。超テンション上がりました。
和田:先日、初めて普通のOLさんと合コンしました。すごいほっこりして、楽しかったです。「普通のOLさんっていいな」と思いましたね。

●最後に、読者のみなさんへメッセージを!
野田:このページを見ていると言うことは、過去2枚も買ってくださっている人なんでしょうか。しかし過去作とはまったく違って、今回は洋風な感じになっています。『地獄への通学路』では一本ネタとして残るものを作ろうとしましたが、今回は「好きなことをやろう」をテーマにやりたい放題やったので、僕たちも楽しみました。それが伝わるDVDだと思います!
おおかわら:僕らは今まで学生ネタを多くやっていましたが、今回は一本もありません。その違いも、感じていただけたらと。

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