『R-1ぐらんぷり』2年連続決勝進出のマツモトクラブが、“作・演出、出演、監督”を務める映像コントDVDを作りました! 専門学校で映像の技術を学び、舞台俳優の経験を持つマツモトクラブ。これまで芸人として舞台で見せてきたコントが、これまで培った経験と彼独自の才能で、新たな作品として生まれ変わっています。ヒトミシリじゃない方も観てくださいね

 

 
●第2弾DVDを、自身が監督を務める映像作品にしたきっかけは?
マツモトクラブ:コンテンツリーグさんから「DVDもう1本出しませんか」というお話をいただいたとき、「無理かもしれないですが、ロケでそういうのできませんか」と提案したら、「やりましょう」って言っていただけました。舞台上でネタをやるのもいいなとは思ったんですが、専門学校に通っていたとき、自分で短編映画を撮ったりして楽しかった思い出があって、今回まず自分も楽しみたいと思ったのと、自分が舞台上でやってるコントの中で「映像にしたら、これ面白いだろうな」っていうものもあったので、ロケにしたいなと。
 
●どういう手順で作品を作り上げていくのでしょうか?
マツモトクラブ:絵コンテとかは全然書いてなくて、現場でどう撮るかという作業でした。ただ絵コンテとかがない分、現場に行ってからほかのスタッフさんに相談したり、時間がかかっちゃって。昔もきっちり絵コンテを書くことはやっていなかったので、そのままのノリでいっちゃいましたけど、昔の遊びながら撮るというノリは、時間がある学生のときだったからよかったんですね。やっぱりみなさん、カメラマンさんやディレクターさんそれぞれ仕事がありますし、僕も時間が限られてますから、そういう中でやるためには、下準備をもっとするべきだなという反省点が生まれました(笑)。「またやりたいな」って思いますし、今回よりは時間を短縮できると思います。
 
●映像化された作品を観た感想は?
マツモトクラブ:今回に関しては、思った通りというか、思ったよりよくできたのもあります。『日曜日のマツモロウ』という作品は、この中で一番好きでなんですけど、いろんな偶然が重なったというか。喫茶店での撮影ということで、候補の喫茶店の写真をいくつか見せていただき、「雰囲気がネタに合ってる」と思ったこの場所に当日行ったら、写真ではわからなかったんですけど、上から天使がぶらさがってて。なんとなく『日曜日のマツモロウ』のネタと天使がリンクしたような、「なんかいいな」と思って、天使も画面に入れたり、BGMとして天使っぽい音楽とというか賛美歌っぽいものを使いたいなと思ったり。なんとなくいろんな雰囲気がいい感じにまとまって、よかったですね。逆に苦労というわけではないんですが、『恐怖の定食屋』で撮影させていただいた定食屋の店主さんが、すごく、なんか……いろいろしゃべってきたなと(笑)。予想外にしゃべってきて、「なんか君、そんな緊張しないほうがいいよ」って、はっはっはっは。全然緊張してるつもりもなかったんですけど、それで逆に縮こまりそうになりました。
 
●映像化するネタのチョイスはどう考えたんですか?
マツモトクラブ:もともとあるネタの中で、“映像にしたら面白そうなネタ”っていうチョイスだけですね。やりたかったけどできなかったネタはあって、バスの運転手のネタを候補に入れてたんですけど、いろいろバスの撮影が大変っぽくて断念したのと、あと、牛久大仏をバックに撮るというネタも難しくて。やろうと思えば、多分ほとんど映像化できると思うんですけど、果たして映像化したところで、舞台でやるより面白く見せられるかっていう部分で言うと、なかなか限られてくるかなと。そういう意味でも、今回このチョイスしたネタたちはいい感じになれたのではないかと思いますね。
 
●映像化するにあたって、特にこだわった部分は?
マツモトクラブ:もちろん全部こだわってるんですが、例えば音楽も重要だと思っていて、『日曜日のマツモロウ』は、“喫茶店内のBGMとして音楽が流れてる”って雰囲気を考えてたんですが、いざそうやって編集してみたら、BGMの音量が小さいというか、リアルな編集をしてしまうと小さいんですよね。なので、実際の音量よりも上げてもらって、物語の雰囲気を盛り上げるためのBGMとして編集しました。やってみないとわからなかったですね。
 
●舞台上でも、複数の人の声を御自身でやられていますが、映像化での苦労はありましたか?
マツモトクラブ:その辺も気をつけてはいたんですけど、『ぼくたち同級生』で、映像の中に2人「ぼく」が出てきて、編集してたらやっぱり声が同じ。どっちがしゃべってるのか一瞬わからなくなってしまって。でもそこを変に声色を変えても嘘臭くなるし、ちょっと苦労しましたね。『徹子の不動産』は、そこまで声色を寄せなくても口調とかでなんとなくそれっぽく聞こえて。現場に行って、僕が一番徹子さんの声で笑ってしまって、何回もNGになりました(笑)。NGが一番多かったのが、多分この徹子。笑っちゃうんですよね。自分で考えて、自分で吹き込んだ自分の声なのに、現場行って撮影してみたら、その状況がおかしくなっちゃって(笑)。僕、舞台でもこのネタやるときに普通に笑いそうになったりしてますね。実は笑い堪えてます。このDVDの映像を見たら、笑い堪えてるのがわかります。でも、実際に不動産屋に来て、そんなことを言われたら、「なんなんだろうこの人」って、そういう感じの顔になるかなと。「笑い堪えてるんだ」と思って見たら、ちょっとわかってしまうんですが、なんかそれが僕はいいと思ってます。
 
●普段のコントに女性の声色を使わないのはなぜですか?
マツモトクラブ:単純に女性の声が出せないから。その女性の声を声色変えて無理矢理高い声を出しても、嘘臭くなると思うし、吹き込んだ声を加工してやるのも気持ち悪いと思うのでやってないんです。なので、徹子さんの声は唯一の女性キャラ。どこかリアルな部分がないと、観てる人の中に入ってこないだろうなっていうか、「うそだろそんなの」「ありえないだろ」って思われちゃうともったいないなというか、そういう思いがあるんです。
 
●演じる側として感じた、舞台と映像の違いは?
マツモトクラブ:舞台でやるときは、「声がお客さんに聞き取れないといけない」って常に意識しながらやってるつもりなんですが、映像の撮影では、それはもうマイクがちゃんと拾ってくれるので、そんなに大きい声を出さないでいいっていう、1個安心感みたいなものは違ったかなと思いますね。表情などの演技は、舞台でやってるときも、見えないかもしれないんですが、わりと細かい動きを僕はしてるつもりで。そのへんは、いつも通りそのままやりました。舞台と映像と、どちらにもそれぞれの魅力があるんですが、でもこうやって、自分が考えて自分が出て、自分がいろいろ編集にも関わったりしたものがこう出来上がってみると、なんかうれしくて、何回も見ちゃいますね。「自分が出てるものは見たくない」という芸人さんもいると思うんですけど、僕は結構何回も見ちゃいます。テレビとかにたまに出て、もっと面白いコメント言わなきゃいけない場面で言えてない自分とかは見たくないんですけど、面白いこと言えてる自分は何回も見たいというか、いいところは見たい(笑)。
 
●今後、ドラマや映画など映像作品への出演意欲は?
マツモトクラブ:もちろんそういうお話いただけるなら、すごく出たいです。でもやっぱりお笑いはやっていきたいし、ネタはやっていきたい。理想で言うと、ドラマとか映画とかのお話もいただいて、そういう現場にもたくさん参加して、いろんなものを吸収して、それを自分のネタにも反映していけたらなと思います。
 
●映像監督としての意欲は?
マツモトクラブ:そうですね。もちろんやってみたいですし、自分で書いた長編を作品化してみたいとか、今のところ目標というか夢に近いですけど、そういう思いもやっぱりありますね。
 
●この2年活躍の幅が広がりましたが、目標ややりたいことに変化はありますか?
マツモトクラブ:もともとは小学生のとき、お笑い芸人になりたいけど自分には無理だと思って、裏方の仕事に就こうと考えたときに、最終目標が“映画”で。それから「自分が監督した何かを作る」って目標はずっとあったので、40歳になった今、これを叶えることができて、すごくありがたいですし、うれしいなって思ってます。この経験をしたことで、また何か監督みたいなことができたらいいなって思いもまた一つ乗っかりましたね。
 
●ライブでの目標ややりたいことに変化はありますか?
マツモトクラブ:僕の中では、単純に、客席にいる人が楽しいと思ってくれたら一番うれしくて。もちろん笑い声もうれしいんですけど、笑い声だけじゃなくて、「そんなに笑わなかったけど、いいもん見れたな」って思って帰ってくれたらうれしいです。僕のネタって、客席で観てるお客さんが手を叩いて大爆笑する場面ってそんなになくて、なんとなくクスクスしてるままの状態っていうのがわりと多いんですけど、マツモトクラブにしかできない雰囲気とか、世界観て自分で言うといやらしいですけど(笑)、そういうのを出せて、観た人が納得して満足してくれたらうれしいなっていう思いでやってますね。最近は単独ライブも東京だけじゃなくて、地方でもやってみたいなって思いも出てきました。大阪でやらせてもらったときも、すごくあったかく受け入れてもらえたので、またやりたいなと思ってます。
 
●最後に読者にメッセージをお願いします。
マツモトクラブ:普段舞台上でやってるネタが、映像にすることで面白い部分がまたちょっと変わったというか、自分の中でも「こんなに面白くなるんだ」「こんな雰囲気に見えるんだ」とか、新たな発見がありました。元ネタを知ってるお客さんには「あ、これこんな感じになるんだ」という発見があると思いますし、普段テレビとかだと短い尺でしかネタができないことが多いので、長い尺で、間もたっぷり使った今回の作品を、DVDでぜひ見てもらいたいなと思います。また新しい面白さがあると思います。
 

 
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