誰にも真似できない、独特な世界観のコントを繰り広げ続ける巨匠。彼らの世界を思う存分堪能できるファーストDVD『巨匠ベストコント集「よういち&かず」』がリリースされる。ベスト盤だけあって、初期から近年までのネタが収録され、巨匠の足跡がよくわかる一枚となっている。しかし、すべてに通じるのは“彼らにしかできないネタ”であること。ふたりの軌跡を感じてほしい!

 

 
●『巨匠ベストコント集「よういち&かず」』がリリースされますが、この1枚を観ると、巨匠のネタの幅広さを感じますね。
岡野陽一(以下、岡野):えっ、幅広いですか!?
 
●狭いゲートを超えたら大きな世界が広がっていた、というか。入口は狭いんだけど、奥行きが驚くほどあるイメージです。
岡野:いい言葉ですね。今度、使わせてもらいます(笑)。
 
●今回収録されているネタは12本。選択の理由は?
岡野:単純に好きなネタを選びました。例えば「生きるという事」というネタですが、これはウケません。他のネタはある程度反応のいいものを入れましたが、「生きるという事」に関しては、ウケないことに自信があります(笑)。それでも、好きだから入れたかった。やっていて楽しいですから。
本田和之(以下、本田):あとは、日頃よくやっているネタを優先したかな。個人的には「ごめんね」というネタが僕は好きです。
 
●ぜひ、いくつかのネタへの思い入れや解説をお願いしたいのですが。まず、「お金吐くおじさん」。
岡野:これは結成2年目くらいにできたネタです。ずっとこれをやっていた時期があるので、今まで30万円くらい吐いてます。
本田:そうですね、相当吐いてます。吐き慣れたもんです(笑)。
岡野:舞台で使うので、このネタはお金がかかります。最近7,000円で落ち着きましたが、15,000円くらい吐いていた時期もありました。さらにボーナスを吐くというくだりが後からできまして、合計21,000円必要なんです。でも、基本的に僕はお金を持っていない。だから本田に“持ってる?”と聞いて、お互い持っていない時は吐けない(笑)。どうしても吐きたい時は、周りの芸人に借りて吐きますが、不思議なもので、自分の金で吐く時が一番ウケます(笑)。
 
●続いて「日本の教育」。
岡野:これはポップですよ! 『オンエアバトル』で唯一受かったネタですし、営業で唯一、ウケるネタです。あとで出てくる「万物の祖」を営業でやると、とんでもない空気になりますから(笑)。ただこのネタ、嫌いなんですよ。哀愁がないんですもん。
本田:昔は大根を使うオチだったんですが、僕はけっこう好きだったのに、それがまったくウケなかったですねぇ……。
岡野:大根を剥いて“これは黒だ!”というオチで、“見たままのものを信じるな”という強いメッセージ性があったんですが、まったくウケず……オチを変えました。さすがに、僕らも道楽でやってるわけじゃないので(笑)。
 
●「ごめんね」は本田さんお気に入りのネタですね。
岡野:本田が主役で、たぶんDVDでも自分の顔のアップが多いだろうから、好きなんでしょ?
本田:そういうことじゃないよ(笑)! いつもは子供役が多いけど、この役はちょっと珍しいから、やっていて楽しいんだ。ちょっとホラー・テイストなところもいいし。
岡野:僕らのネタって、現実離れしているというか、ファンタジー系のものが多いんですよ。自分の現実があまり好きじゃないから、忘れたいというのもあって(笑)。
 
●“これはいったい何なんだ!?”と驚かざるを得ないネタ「概念漫才」。
岡野:前世の業なのかもしれませんが、“概念”という言葉がすごく好きなんです。“べっぴんさん、べっぴんさん、ひとつ飛ばすという概念”というギャグが、めちゃ面白くて(笑)、これはイケるんじゃないかと。“概念漫才という漫才をやるコンビがいたら、絶対売れないな”と思い、そこに今の芸人あるあるを入れ込んだ感じです。あと“すごくこだわりがあるのはわかるんだけど、何を言っているかよくわからない”という事態って、芸人あるあるだと思うんですよね。例えば僕も本田に“ここの「概念」は、もうちょっと遅めに言ったほうがいい”と助言するんですが、それってまったく意味がわからないと思うんですよ。なぜかと聞かれてもわからない(笑)。その辺も入れ込みました。
 
●そして最後のネタ「万物の祖」。
岡野:あれはいいですね、何の意味もないネタですが(笑)。他は割とメッセージ性がありますが、これだけは何の意味もない。「万物の祖」とつけたのは、世界が始まる前は真っ暗だったと思うので、“真っ黒=万物の祖”というイメージですね。
 
●芸人仲間が“どうやって思いついているのか、さっぱり見当もつかない”と言う巨匠のネタ。どうやって考えているんですか?
岡野:普通の生活じゃないからなのかも。他の人たちがバイトをしている時に、僕はギャンブルをしています。例えば「お金吐くおじさん」も、人一倍“お金がほしいな”と思っているから、生まれたネタなんだと思います。あと、できるネタに制限が多いんですよ。本田は演じられる役が幅広いですが、僕はおじさんしかできないから(笑)。
本田:ネタを作るのは岡野なので、僕が心がけているのは“いかに自然に演じるか”です。違和感があると、ネタ自体が変になっちゃいますから。
 
●お客さんも、びっくりする人は多いのでは?
岡野:「お金吐くおじさん」は、“えーっ、お金出たー!”と言われたりしますね。
本田:観客のおばちゃんが“お金吐いちゃったわ、あら大変”と言ったり。そう言われて、こっちが笑っちゃいそうになりました(笑)。
 
●観てくれる人を“驚かせたい”という気持ちが強いように思うのですが?
岡野:そうですね。“印象に残るネタがやりたい”ということはテーマにしています。何組か出演するライブでネタをやると、どれだけ面白くてもお客さんは忘れちゃうんですよね。びっくりさせると、爪痕は残すと思うので。
 
●ネタ作りもナゾですが、さらにナゾなのが、おふたりのプライベート。今、ハマっていることはありますか?
岡野:競馬です。僕、ギャンブル以外に趣味がないんですよ。今年の勝率は、ひどいもんですけどね(笑)。“勝とう”という気持ちは第二なんです。まず、賭けたい! 賭けて結果を見ないこともありますから。気がつけば、ワンランク上に行った気がします。
本田:おかしいよ、ワンランク上じゃないよ (笑) !! 僕は料理にハマってます。最近はジャージャー麺を作りました。昔から家が貧乏で、親がいない休日の昼間は、自分でごはんを作らなきゃいけなかったんです。そこから派生して、料理が趣味になりました。今ではパンを作ったり、3日煮込んだカレーを作ったりしています。得意料理は、チキン・カレーですね。
 
●最後に、メッセージをお願いします!
本田:仕事で上司の人に怒られたり、イヤなことがあった人はぜひ、このDVDを観ていただきたいですね。現実を忘れる瞬間を、ぜひ『巨匠ベストコント集「よういち&かず」』で体感してください。
岡野:友だちの誕生日、お中元、お年賀などの贈答品に、ぜひいかがでしょうか?
 

 
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