結成20周年を迎えたバイきんぐ、5作目のDVDが完成しました。「King」に始まるトランプタイトルは、「エース」「Jack」「クィーン」ときて、「ハート」に突入。ネタの作り方も今後のライブについてもまったくブレない2人の確固たるコントの形がここに。素直でイカれた男たちと、その男たちに本音を引きずり出されてイカれる男たち。バイきんぐの真骨頂をこれでもかと見せつけるコント9本をたっぷりとお楽しみください。

 

 
●『キングオブコント2012』優勝から毎年DVDを出し続けてますね。
小峠 英二(以下、小峠):ほんとにそうですね。もう5作目ですから。毎年単独ライブやらせてもらって、DVDも出させてもらって。
西村 瑞樹(以下、西村):そうですね。ありがたいですね。
 
●小峠さん、今年のネタ作りは順調でしたか?
小峠:時間かかりましたね。結果的に1カ月前には出来たんですが、それでもなかなか出来なかったというか、出てこなかったです。「さあ単独のネタ書こう」と書き始めて、まず2本くらい出来たんですよ。そこから1ヶ月くらい出来なくて。で、またパンパンって出来て、それからまた1カ月くらい出来ないっていう感じでした。1カ月くらい出来ないってうのはこれまでもあるんですけど、それが2回あって、そこまで出来ないのは初めてでした。
西村:そんな初めての苦労があるって、まったくわかんなかったですね。「今どのくらいできてるの?」とも聞けないですし。
小峠:まあ何かないかなと思って、後輩に「最近どういう設定でネタやってるの?」とか聞いたりしましたね。「いい設定最近あった?」とか。
 
●20年ネタをやっていると、その設定が見つかっても、過去のネタと被ったりしますか?
小峠:そうなんですよ。今回も「ユウキ」ってコントはお葬式の設定なんですけど、お葬式の設定のコントなんて6本くらい作ってるんじゃないかと(笑)。中身は全部違うんですけどね。困ったときはそういう傾向があるかもしれないです、「葬式」で何かできないかなあ、とか。
 
●1本目の「切り逃げ」はセリフの中にハッキリとほかの登場人物がいて、これまでのバイきんぐさんのネタにはあまりない設定のような気がしました。
小峠:確かにそうですね。2人以外の登場人物はあんまり出さないようにはしてます。コントはできれば2人のやりとりで完結したいなという思いもあるので。でも「切り逃げ」に関しては、あれがしっくりきました。特に新たなチャレンジとかではないんですよ。オチを考えたときに、ああいう見せ方しかできないなと。でもお客さんの反応もよくて、よかったです。
 
●今回のライブで披露したコントについて、西村さんへの演出はどのようにされたんでしょうか?
小峠:言いましたね。僕、結構細かく言うので。
西村:「オーダー」では、僕が演じる店員がお客さんに注文を聞くスピードについて、すごく細かく言われました。「次の方!」って。スピードにはこだわりがあったみたいで。もう僕も言われてもわかんないレベルの早さなので、言われるままにやりましたけど。
小峠:あるんですよ、僕の中で気持ちいいいというか、人が笑いやすいリズムというのがあると思ってるので、多分その感覚のスピードですね。
 
●西村さんはそういう演出をされた際の覚えはいいんですか?
小峠:いや悪いです悪いです。
西村:言われたままのタイミングなのでなかなか(笑)。
小峠:本番はちゃんとやってましたけどね。
西村:そうですね、何にも考えてないんですけど、練習通り。ただ、「酔っぱらい」は、3公演のうち2回目だけ自分のアドリブぽいことがあったんです。酔っ払って舞台で倒れて、手が舞台からはみ出すというのをやったんですが、ダダ滑りしましたね(笑)。僕だけの案ではなくて、「ちょっとやってみたら?」「任すよ」って言われたので、やってみようかと思ったんですが、あんなにスベると思わなかった。
小峠:ははははは。この酔っぱらいキャラはちょっと苦労したんです。陽の酔っぱらいと陰の酔っぱらいっているじゃないですか。最初、西村が陰の酔っぱらいをやろうとしてたんです、暗いタイプの酔っぱらい。そうじゃなくて、これは明るい酔っぱらいだからって話をして、陽じゃないと笑えないかなと。
西村:結局3公演目は元に戻して、そのアドリブ部分はやめました。スベるとやっぱり「俺が悪いのかな」って気持ちになりますよね。責任感出ちゃいます。
小峠:いや、責任感があるとか言って多分そんなこと思ってないですよ。
西村:あはははは。そうそう。
 
●それぞれ好きなキャラは?
小峠:「オーダー」の西村ですかね。実際にこういうラーメン屋があったら行かないですけど(笑)。でもオーダーを頭に叩き込んでる店員さんっているじゃないですか。あれは前々からすごいなと思ってて、そこから作ったネタなので、コントの店員はムチャクチャですけど、設定はリアルなんです。
西村:僕が好きなのは「引きこもり」のお父さんと息子ですね。引きこもりじゃないですよね、こいつ(笑)。不思議な親子ですからね。仲がいいし、家庭環境もよさそうじゃないですか。引きこもる要素はない気がしますよね。平和なんですよ、この家族。
 
●このお父さんや「陶芸家」の師匠など、年長者のほうが目下の人の意見を意外と素直に取り入れていくキャラが特徴的だなと。
小峠:ああ、そうですね、そうかもしれないです。俺がツッコミで年配のほうをやるんですけど、西村が最初イカれてて、でも結果俺もイカれてるんじゃないかっていうコントが、もしかしたらいいコントなのかもしれないですね。「スピード違反」の警官も最終的にイカれてますしね(笑)。『キングオブコント2012』で俺らがやった2本のコントも、2本とも西村がイカれてますけど、やっぱり僕もイカれてますもんね。
 
●特典映像になってる幕間VTRは、ピクニック、キャンプ、遊園地に続き、とうとう沖縄へ。
西村:もう全然幕間映像撮ってるという感じはなくて、ただただ普通に楽しかったですね。
小峠:こいつが運転してるの初めて見ました。
西村:ペーパードライバーに厳しかったですよね。あんなに厳しいと思ってなかったです。ただ、ペーパーに厳しい奴って見てて面白いですけど(笑)。
小峠:おじさん2人でナンパもしてね。気持ち悪いでしょ。
西村:あれね、ほんとに番号覚えとこうと思ったんですけど、忘れちゃったんですよー。
小峠:あはは。
西村:次回はどうなんでしょうね。やっぱり海外ですかね。
 
●東京での単独ライブを続けてこられましたが、今後全国ツアーや、別の形のライブの可能性は?
西村:今回初めて3回公演をやったんですけど、3回目やったあとに小峠が、「3回目やっぱちょっと飽きちゃうよね」って言ってて。
小峠:うーん、思いましたね。
西村:僕もまあ確かにそうだなと。
小峠:なんでしょうねえ、まだ地方公演やりたいとか、コント以外のライブをやろうという気持ちは全然なくて。それでも一度マネージャーさんと真剣に考えたんですよ、全国ツアーどうする、と。そのときは前向きに、ほんとリアルに考えてみたんですけど、やろうとはならなかったですね。もちろん単独ライブはやっていきたいです。
 
●今年の『キングオブコント2016』はどのように御覧になりましたか?
西村:家で一人で観てました。もちろん優勝したライスも面白かったですし、ジャングルポケットも面白かったですね。
小峠:準決勝の1週間前にしずるの村上から珍しく「飲みたいです」みたいな連絡があったんですよ。「全然いいよ」って、久しぶりに2人で飲んだんです。普段は現場で会ったらしゃべりますけど、そんなにプライベートで飲みに行くような仲ではないんですが。『キングオブコント』前だから僕と飲みたかったってことだったので、「どうなの?」って聞いたら、自信がありましたね、「決勝は行けると思います」って。「いいネタができたんで」って言ってたので、「えーすごいな」と思ってたら、実際に決勝行って。1本目にやったネタはいい設定だったし、実際に面白かったですもんね。
 
●お2人の優勝時と審査方法が違いますが、今の審査員に審査してもらいたいですか?
西村:いやー(笑)。
小峠:ふふふ。
西村:こわいなあ。僕らのときにあの方法だったらまた変わってたかもしれないですしね。
小峠:でもまあ、やってもらいたいかもしれないです。何点付けてもらえるのか興味はありますよね。また出ようとは思わないですけど(笑)。
 

 
『バイきんぐ単独ライブ「ハート」』詳細ページは こちら