『THE MANZAI 2012』ファイナリストであり、超実力派コント師でもある“アルコ&ピース”が、最新ベストネタ・漫才&コントを収録したDVD『博愛』を8/21にリリース。
今回のインタビューでは、同作に収録された全10ネタの自己解説をしてもらいました。
このインタビューを読んでDVDを観れば、より作品が面白くなるかも!?

 

「忍者」
――このネタはどのように作られたんですか?
平子祐希(以下、平子):このネタは、去年『THE MANZAI』で何をやろうっていうときに、3カ月くらいライブにかけながら作ったネタですね。元々は相方が「これになりたい」っていう漫才の定石の流れに僕が苦言を呈し続けるっていうスタイルなんですけど、何になって何をするのかっていう話の中で、どういうワードがあるのか探した時に、“忍者”っていうのがバチっとハマって。「忍者になって巻物を取りに行く」っていうほんわかしたバカバカしさというか、響きがあったのでこれを連呼するスタイルに。
――酒井さんの表情も見どころですよね。
酒井健太(以下、酒井):僕は何にも意識してないんです。そう言われると次にやる時、緊張するなあ(笑)。
平子:結局ネタ終わった時に褒められるのは酒井の表情なんですよ。僕が8割9割喋ってますけども、「君(酒井)はええ顔するね」って。でもそれは形としては成功だなと僕の中で思ってます。
酒井:「いい表情するね」って言われるのは、やっぱちょっと相方に申し訳ないというのはあります(笑)。


「OB」
平子:これは4、5年前のネタで、それほどやる頻度も高くなく、テレビやコンテスト系には向かないんじゃないかなと。大きな笑いどころとか、明確なボケとツッコミがあるコントじゃないんで。ただその日常の一端を切り取ったような淡々とした風景が続くコントですね。
――なぜラインナップに入れたんですか?
平子:今回の流れの中では映えるかなと。僕らは個人的にこのネタすごく好きで。
酒井:そうですね。
平子:ドラマ仕立てにしたら本当にノンフィクション番組みたいな。個人的なバックボーンとか、ふたりの関係性だったりを、説明がない状態でセリフの中でどうわかっていってもらおうかっていうのをすごく大事にしたネタです。元々ふたりの共通の好きなものが、ノンフィクションとかドキュメント系の映像なんですよ。なので、小さな所作にすごい生活感が滲み出るようなネタが昔は多かったんですけど、テレビにもっと出たいとなると、派手さがネタに一個でもないと出づらいということで、潜めてた形式で。今後少しずつ僕らの名前が出てきたら、こういうのも観せられたらいいかなと。


「サプライズプレゼント」
平子:キャラがヤンキーチックなネタなんですけど、テレビなんかで元ヤンの人たちがパッと見せる人間的な優しさの部分って、なんか×5になったり×10になったりするんですよ。その方式をニュアンスとして入れ込んだネタですね。ここ1年くらいで作った比較的新しいネタです。中身がフリーでわりと変えられるので、やる時によって中身が違うんですよ。タイトルが『博愛』なので、朗らかなストーリー仕立てのネタを何個か入れてるんですけど、これが肝っぽいかなと。
酒井:はい。


「円弧」
平子:これは3年くらい前に作ったんですけど、本当、大好きで。初めて作った時、ふたりで腹かかえて床転げまわってネタ合わせしたんです。笑い過ぎて練習にならなかったくらい。元々酒井が前のトリオの時に子供を演じてて、僕はまた別のコンビだったんですけど、そのキャラに僕が惚れ込んで。一緒になってネタ作るにあたって、あの子供のキャラをなんとか活かしていきたいと。これはちょっと思い入れがありますね。
酒井:これも僕はやるとき何にも考えてないですね(笑)。なるべく自由に。一番最初に作った時から大分変わってますけどね。
平子:確かにだいぶ置きにいった感じになってますね、もう。元々は野性なんですよ。子供の読めない動きというか。意味ない動き。ただ、どうしても伝えるって作業をしないといけないので今の形になりました。


「呼び込み」
平子:これは下ネタのニュアンス。僕、エッチなんですよ。人の8倍くらいエロいんですよ。だからこそ、それを安売りしたくないというか、安く言葉に置き換えることができない。全体ではなくニュアンスのひとつとしてエロを入れ込んだネタも作りたいなと。
――平子さんのエロの部分を酒井さんは感じてるんですか?
酒井:それは感じてます。これは平子さんのエロの部分が一番出てるネタですね。
平子:女性ってやっぱり、下ネタを一旦否定する体(てい)をとるじゃないですか。「私はそういうの好きじゃない」って。ただ、これを見て「今、これ下ネタだと思ったろ」っていう仕掛けです。俺は何も言ってないぞ、という、女性に対するアンチテーゼみたいな部分が大きいネタですかね。


「虫の声」
平子:僕らライブでこのネタを初めてやった時に、何のセリフもないような状態で。酒井の「何言ってるんですか」って自然発生的に生まれたセリフは、後々取り入れたんです。それ、本当に酒井の声でもあるし、僕の声でもあるし、お客さんの声でもあるし、みんながひとつになる感じですね。こういう部分って誰でも持ち合わせてるっていうか、体調によってこういう日ってあると思う。「私、何言ってんだろ」ってこと。もしかすると、あるあるネタなのかなって。勝手にジブリっぽいネタかなって思ってます。
酒井:(苦笑)


「受精」
――これ、『オンバト+』の決勝でやってましたよね?
平子:あの時、勝負のつもりで持ってったら、けっこうフラットな点数で(笑)。良くも悪くもなかった。
酒井:どっちかかなって思ってたんですけどね。
平子:たぶん、男性側が喜んでくれて、女性側がパッと見た印象でシモって決めちゃうんですよ。実際は下ネタ要素まったくないんですけどね。これこそハズレのないあるあるネタ。人間の神秘です。


「天使と悪魔」
平子:漫才入る時って、けっこう多いのはベタベタな言い古された設定を大枠で持ってきて、それをいかにずらすかみたいなことが多いんですけど、このネタでは漫才に音響と照明をゴリゴリに取り入れてて。リハが面倒臭いんで、あまりやらないんです。あと、スタッフさんに嫌な顔されます。漫才だと思ったら音響も照明も確認って。
酒井:ふふふ。


「タイムマシーン」
平子:これが一番新しい、最近のネタですね。僕、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が好きで。サントラすら聴き込むくらい好きで、もう大好きです。ライブでは映画の音楽を使ってるんですよ。だからドパクリネタですよ。知ってる人が観ると、セリフのひとつひとつが映画の設定になってて、それはもう恥も外聞もなく、僕が好きだから。
酒井:昔から好きなの知ってたんで、いつか来るだろうなって。ちょっと遅かったなっていう。


「じいちゃん」
平子:僕らのコントでなかなかキャラもの設定ってなくて、衣装もそんなにないし、女装も一切ないんですよ。じいちゃんもハゲヅラだったりとか、そっちで面白ポイント持ってきたんじゃないかって思われるのが嫌で敬遠してるところがあります。でもこのネタについては、最初はそういう目線で見られても、途中から内容の方に入り込んできてくれるかなと。じいちゃんじゃなきゃいけないというか、必然性があるからこそできたんですけど。単純にじいちゃんとかばあちゃんのああいうテンションが好きで、子供もそうですけど、無邪気な屈託ない、邪気のない。結局ドキュメントが好きなんですよね。
酒井:やっぱりベタが好きなので。それが爆発してるネタかもしれないですね。


 

 
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